第四十一の論争 足フェチイチャラブ

「私も…大好きだよ!」

「それじゃあ…お言葉に甘えて…マッサージのほうしてもいいか?」

「…うん…や、優しくしてね?その…今授業中だし…」

ヒソヒソといつもうるさい彼らが周りにばれないようにことに及び始めた。


彼女の靴とくるぶしの隙間に指をかけほじりだすように靴を脱がせる。

彼女はまだ序章、プロローグとでも思っていた、しかし彼女の裏をかくように唐突にそれは始まった。

ローファーを脱がしくるぶしソックスがあらわになると先ほどの社会的表層をかなぐり捨て自制をしようともせずに

衝動のままつき動く。

彼は彼女の靴下に口と鼻をあてがいガスマスクのように呼吸を始める。

「や、そんなに嗅がないで…!臭いってば!」

彼はギリギリ白目にならないくらいの瀬戸際で目をチロチロさせてキマッていた。

おそらく違法な薬物を摂取したのだろう。

思わず声を荒らげそうになる、もしもこんな声を聴かれでもしたら授業中にまぐわっているように思われてしまう。

そうともなれば本当に彼女の学生生活は終わりを迎えるだろう。

必死に声を押させながらやめるよう懇願する。

その思いも伝わり彼は顔を少し話す…が

「ふ、ふぇぇ…!?」

彼は彼女の靴下を口で咥えて脱がす。

無理やり引っ張られた靴下は彼女の足から綺麗に抜け出せず彼女の足に引っかかって、伸び切っていた。

彼もムキになって意地でも口で脱がそうとする。


数分格闘し見事両足を靴下から脱がし素足をあらわにさせた。

彼はほくほく顔でビニール袋に彼女の靴下を入れて真空にした。

「えぇ…!返してくれないのー?」

「…今日は一日靴下なしだ!」

「それで…ちょっと運動するぞ!」

「帰ったら…その素足履きされたローファーがオメーの出汁でむんむんに色気立つと考えると…興奮が抑えきれねえ…」

「…もう、今回だけなんだからね!」

「ありがとうございます!」

「ほら!早くマッサージしてよー!」

「それではありがたく…」

彼女の足を優しく両手で包み込む、優しいといっても不思議とくすぐったくはなくそういったくすぐってやろうと

する悪意はない本当の意味の優しい手つきだった。

実際彼女と彼女の足が本当に好きなんだろう、労わろうとする優しさだった。

この冬の足元、末端の冷えが彼の暖かい手に包み込まれじんわりと温まり気持ちがよかった。


まず彼が触れたのは小指だった。

彼の鍛えられた腕はゆっくりと力強く万力のように彼女の子指を指圧する。

「ん…///」

「痛かったか?」

彼が慌てて力を緩める。

「ん、ううん…痛いわけじゃなくてね…」

「その…少し驚いちゃったからさ…」

「そ、そうか?まあ痛かったら言ってくれよ?」

「うん…」

彼は何かやりきれないような違和感を感じたが続ける。

先ほど中断されるまで行なっていた指圧をまた小指からはじめ徐々に薬指…中指…と移動していった。

その足指はぷにぷにと柔らかくも表側の爪の存在により固くも感じ、なんとも形容しがたい心地よい感触だ。

そうやって彼が鑑賞に浸りふと彼女の顔を見てみると…顔を若干紅潮させていた。

彼は先ほどの妙な違和感が合点へといった。


(さっきの見たことのないような反応は…気持ちよがっていたのか?)

(…ほーーん)

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