第十九の論争 メンヘラ
翌日
「馬鹿野郎が!!骨折れてんのに授業中竹馬で徘徊すんじゃねえ!!」
一日中じっとしていなくてはいけなかったフラストレーションからか彼はいつもにもまして元気だった。
元気にしても無言の真顔で竹馬をする彼の姿はイカれていた。
(思ったより元気でよかったー…)
(でも…まだもっとイチャイチャしてたいなー…)
(あーんもまだしたりないし…)
「どーにも…ノートも取れないんでなー」
「いつもオメーノート取ってねえだろうが!」
女「じゃあ私が代わりにノート取ってあげる!」
女2「じゃあ私は彼にあーんを…」
女3「ずるーい…私が…」
「いやーww骨を折るのも悪くねえなww」
彼の骨折にかこつけて彼に女子が群がる。
「・・・・・・・・」
彼女の顔から光が消え真っ暗になり目しか見えなかった。
(誰に断って手を出しているんだ…!ビッチども!)
(私のものだぞ!!)
「・・・・こういう彼女でもないのに彼を束縛してばかりで…私…ひどい女だな…」
「まあ…それはそれとしてヤルけど」
「あーん♪」
「むぐっ…なんか妙な味がしないか?」
「そう?たぶん急いで作ったから何かの分量がおかしかったかも…」
「ごめんね…」
「なにいってんだ…飯を作ってもらってんのに文句を言うやつがいるかってんだ」
「指にけがしたのか?絆創膏が痛々しいな」
「久しぶりに切っちゃってねー…まだまだ未熟だよー」
「そうかい…ごちそうさま」
「それでさー…いい加減手錠を取ってくれよー」
彼の足首は彼女の部屋の柱に着けられ拘束されていた。
彼をにらみつける。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ダーメ…安静にしてなくちゃ…ね?」
「ビクッ!!そ、そうか…」
彼女の放つ邪悪なものを感じ取った彼は急いで目をそらす。
「はぁー…ずっと君がこうならいいのに…」
「誰のせいで折れたと思ってんだ?」
「だからごめんって~」
結局数時間で解放されたものの彼の鳥肌は収まらなかった。
「ふふふ…君に…食べてほしいな…」
彼女は呪いの詠唱をしながらスープの入った鍋の上で自分の指を包丁で切りあふれ出た血をかきまぜた。
「ゾクゾク…」
「君が誰のものか…あの女どもに…見せ付けてやりたい…」
「・・・・・・・・」
彼女の顔がどんどんどんどん険しくなりそれに比例して包丁をさす力も強くなる。
しかし彼がその料理を口にすると口角が緩みにやけてしまった。
彼の使った食器をかたずける彼女が彼の使ったスプーンをうっとりとした目で眺める。
やはりというか眺めるだけで済むはずがなかった。
彼女はそのスプーンでオナニーにふけった。
「食後のデザートだよー…」
彼の食事の一時間後くらいにゼリーを持った彼女が手錠でつながれた彼の前に来た。
「はい、あーん…」
彼がスプーンをくわえる様をみて彼女は邪悪な笑みを浮かべた。
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