第五の論争 クズの所以④
俺たち三人以外の計画を知らない残念な者たちにとって何ら変わらない授業だろう。
ただ俺たち三人にとっては不安と焦りとわくわくで感情が爆発しそうだった。
(そわそわ)(ソワソワソワソワソワソワ)
普段の何十倍にも感じられる授業、例えるならば永遠に焦らしプレイをされているような地獄の待ち時間だ。
先生「それじゃあ…この問題を…じゃあ両那」
両那「殺すぞ」
先公「ヒェ…じゃ…じゃあA」
A「失せろや」
先生「う…うう…」
ないちゃったよ先生としての名が廃るぞ?
先生のすすり泣く音と誰も気にとめずにノートを書く音だけが木霊する。
(ああ…このままじゃむずむずして死んでしまいそうだ…)
ふと隣の席でまじめにノートをとる幼馴染の顔を見てみる、華憐で整った容姿に思わず見ほれる。
(コイツも黙ってたら美人なんだけどなー)
「おい」
「うん?」
昨晩は俺のことで寝れなかったのか枕を濡らしていたのか目が腫れていた。
だからいきなり胸をもんでみた。
「むんずっ…」
授業中だったからか周りの目があるからか「キャッ!…」っと小さめの声で悲鳴を上げて頬を赤くし俺に囁く。
(いま…私と目を合わせずに胸だけ見て揉んだでしょ…!)頬だけだった赤みが耳の先にまで伝播する。
(いやなの?)
(都合がいいよー、昨日あんなこと言っておいて…ずっと悩んでたのにっ)
(いや反応がかわいくてついな)
(…もう///…そんなこと言っても許さないからね///…)
(やっぱ好きだわそういうとこ)
(んっ///…)
さらに顔が赤くなっていくやはり反応が面白いしおおきな胸も触れたし、暇つぶしには最適だなコイツ。
先生が再起不能になったので自習と化した教室で好き放題楽しんでいた。Aとリョナ野郎に眼力だけで何度も殺されそうになったが
嫉妬と怒りに満ちたやつらもアクセントってもんだ。
休み時間————
両那「ずいぶんと見せ付けてくれたようだねー」
A「俺たちが悶々と溜まってるって時によー」
「まあ落ち着けって…」
両那「お前の行動とか見てたけど、君が思っているより君は俺たちリョナ側の人間かもしれないな」
「そんなわけねーだろうが異常性癖、俺は腹パンじゃ抜けねーよ」
両那「そういう話じゃなくてだな…彼女の反応を見てなんか…こう…ゾクゾクっとしたり…そそるものが来たりしないか?」
「うーんまあ少しはな」
両那「ならばそこからリョナの沼へと時間の問題で真っ逆さまだ」
「ぬかしてろ…」
両那「口ではそういってるけど認めたくないだけだろう?」
「そんな洗脳チックなことをしても俺はリョナじゃないんでな」
「それに俺がリョナだったらタイトルどうなんだよ。クズリョナ主人公とメンヘラ天然幼馴染の話を聞かない討論の日々か?」
キーンコーンと着席を促す音に遮られひとまずはおとなしく席に座ることにする。
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