ジュネスの考える力が未来を切り開く  パワードスーツ ガイファント設定 〜想像力と装備の開発〜

逢明日いずな

第1話 魔法紋とパワードスーツ


 ギルドの保護下に入ったジューネスティーンは、始まりの村のギルドの施設に入っていた。


 翌日、シュレイノリアが、転移してきたのだが、転移した後に遭遇した魔物のせいで、大怪我を負ってしまった。


 シュレイノリアの転移は、幸い朝だった事で、地下遺跡に向かう冒険者が見つけてくれたことで、大怪我を負うが一命は助かったのだ。




 シュレイノリアの怪我が治ると、ジューネスティーンと一緒に、言葉を覚える事になった。


 2人は、お互い、冒険者になる道を選ぶと、ジューネスティーンは、魔法適性もあったのだが、剣を使ったり体を使う方が良いという事で、剣士になる事を選ぶのだが、シュレイノリアは、適正の有った魔法を伸ばすため、魔法士の道を目指す。


 施設の指導員から、魔法の実技を受けるのだが、シュレイノリアは、度々、その指導員に質問をする。


 ただ、指導員にぶつける質問が、徐々に、高度になっていくと、指導員にも答えられなくなってしまう。


 すると、シュレイノリアは、空いた時間を利用して、施設の図書室にある、わずかな本と資料を読み漁るようになる。


 そんな日が続くと、今度は、施設の庭で魔法の練習をしたり、その放った魔法を見て、ブツブツと呟いては、図書室に行って、また、本や資料を読み漁る。


 シュレイノリアの興味は、魔法とは何かといった、基礎研究分野に特に興味を示していたのだ。


 その結果、シュレイノリアは、魔法の力が、どんどん上がっていく事になった。


 シュレイノリアの魔法の探求は続き、何度も同じ書物を読み、別の書物との関連性を、自分なりに考え、魔法の基礎研究を続けていた。


 また、並行して、魔法紋や魔法スクロールについても同様に調べている。


 武器や防具に付与する魔法紋を強化できたら、剣を使うジューネスティーンの戦いも、楽になると思い研究をしていたのだ。




 そんなか、シュレイノリアは、筋力強化、速度上昇といった付与魔法の強化に成功すると、それをジューネスティーンに付与するようになる。


 ジューネスティーンからすると、シュレイノリアの付与魔法のおかげで、早く、力強くなったのは、良かったのだが、その影響が自分の骨格に影響を及ぼしていた。


 強く力強くなった事が、子供の骨格には耐えられず、痛みを感じるようになるので、その影響を抑える為に、骨格の代用品をと考えて、鎧の外側に骨格の代わりとなる物を取り付けて対策し始めたのだ。


 今まで鎧等に筋力強化の魔法紋を刻み、重い鎧でも魔法紋で筋力強化を行う事で鎧を着けていても、動きが良くなる程度だったものを、魔法の改良とジューネスティーンの考えた、フルメタルアーマーの外側に取り付けた外装骨格と、シュレイノリアの付与魔法によって、生身の状態以上の能力を使えるパワードスーツの原型を開発したのだ。


 今まで鎧などの防具に魔法紋を刻んで強化しても、鎧の重量のおかげで、動きが鈍くなり、生身の人間の速度には敵わなかった。


 魔法紋を刻んで筋力強化を施すが、重さの影響の方が強く、生身には敵わなかったが、フルメタルアーマーは、防御力を優先して、致命傷を防ぐので、防御用として、動きが遅くなったり、制限されていても仕方が無いと思われていた。


 それを、2人は、根本から変えてしまったのだ。




 シュレイノリアの新たな魔法紋の開発と、シュレイノリアの魔法力のアップによって、フルメタルアーマーのような、鎧を付けても生身の人間以上の能力を有する事になった。


 ただ、弊害として、ジューネスティーンの骨格が悲鳴をあげることとなった。


 それは、フルメタルアーマーに骨格の代用になるものを、外側に付けただけでも収まらなかった。


 補助的に使う程度だった魔法紋を、生身以上の身体能力向上に達する事が出来たが、筋力の強化を行った事で、速度が早く、力も強くなった事で、その反動として、自分の骨格に負担がかかるのだが、フルメタルアーマーのような、人に取り付けていくようなパーツの集まりでは、カバーしきれない部分が多く有ったので、体全体を保護できるようにはならなかったのだ。


 防御の為に、腕には小手が付いているのだが、肘や肩といった関節部分は、何も防御がなされてないので、肘を蝶番で腕と二の腕を繋いだのだが、肩を繋ぐ方法が、市販されているフルメタルアーマーでは、上手く繋いで肩関節の動きに連動させる事ができなかった。


 一方、シュレイノリアの付与魔法は、更に強力になり、筋力強化された力は、関節に掛かる負担を増大させてしまったのだ。


 ジューネスティーンは、当時、使っていたフルメタルアーマーでも、各関節に負担が掛からないようにと考えるようになり、鎧と鎧を骨格で繋ぐ事を考え始めた。


 各関節も含めて、骨格の強化を行う必要が出てきた事で、鎧・小手・靴等のパーツが、別々になっていたら、関節をカバーできないと考えだした。


 突き詰めていくと、通常のフルメタルアーマーのように、身体にパーツ毎に取り付けていったら、関節は守れない事になる。


 ジューネスティーンは、自分のフルメタルアーマーの外側に関節を守る為の、人口骨格を取り付けたのだが、結局可能となるのは、肘と膝程度で、肩や股関節、足首のように複雑な動きをする部分については、今のフルメタルアーマーの構造では不可能だと結論に至る。


 肩・股関節・足首における関節の保護には、今のフルメタルアーマーでは不可能だと分かると、魔法紋で筋力強化を行う限界を感じる。


 関節への負担を軽減させる為に、各部のパーツを金属の棒と蝶番で接続して固定する事を考えたのだが、肘や膝なら何とかなるが、肩や股関節の動き、それと、足首には単純な蝶番のようなパーツでは、人体の動きにはついてこれないので、その部分について本格的に構造から考える必要があった。


 ジューネスティーンは、骨や関節への負担を減らし、強力な攻撃から身を守りつつ、最大限の攻撃を加える為に鎧を纏う前の全身を覆う外装骨格が必要となると考えたのだ。


 それがパワードスーツの原点となる。


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