放課後の少女達

九八

私は・・・

キーンコーンカーンコーン


「ふぁー、やっと放課後だー!」


今日の最後の授業が終わり待望の放課後になった。

クラスメイトは帰る準備をする人、部活に行こうとする人に分かれている。

…私?もちろん帰る準備をする方よ!

だけど私は帰る準備をした後しばらくこの教室にとどまる。

どうしてかって?その理由は、


「凛ちゃん、お話しよ!」


「...茨木さん、別に私はあなたと話したくないのですが」


この子凛ちゃんと話すためだ。


「え~私は凛ちゃんとお話ししたいよ~。それに私のことは灯でいいよって言ってるじゃん~」


「...茨木さんどうしてあなたはいつも話しかけてくるのですか?」


「どうしてって、私がお話ししたいからだけど?」


「私と話していても楽しくないと思いますが」


「えーそんなことないよー。私は凛ちゃんと話すの楽しいよ?」


「はぁ、それで今日はどんなお話をするのですか」


そういって凛ちゃんは読んでいた本から顔を上げてこちらを見てくれた。

なんだかんだ言って話を聞いてくれるところは好きだよ。(イケボ)


「今日はねー、友達から聞いたんだけど最近このお笑い芸人が流行ってるらしいんだよー」


そう言って自分のスマホを凛ちゃんに見せるそこには二人の芸人がマイクの前に立って漫才をしていた。


「一緒に見よ!凛ちゃん!」


そう言って私は動画の再生ボタンを押した。

二人の芸人は片方があほなことを言ってもう片方がツッコむよく見るやつだ。

でもテンポが良く見ていて楽しかった。


「あっははは!!な、何言ってんの!この人!はははっは!ひーっひーっ!」


つい大笑いしてしまった。少し少女としてはどうかと思う。


「茨木さん、これのどこが面白いの...?」


凛ちゃんは困惑した様子でそう言っていた。ほんとによくわかっていないようだ。


「えーどこっていわれても...。全部?」


どこがおもしろいと言われてもなんとなく面白いとしか。

でも凛ちゃんにとってはこの返答のほうが面白かったらしい。


「ふふっ。全部って灯ちゃんそれではわかりませんよ」


「えーわからない?っていうかなんで私では笑うの!?」


「茨木さんの返答が少し残念だったので」


「残念って何ー!私のことがバカだって言いたいのかー!」


「そんなことはありませんよ。少し可愛らしいと思ったのです」


凛ちゃんのことだから私が馬鹿っぽいから笑ったと思ったけど。私が可愛らしかったからだと...へへっ


「かわいい!?やっぱわかっちゃうかー!このかわいらしさが!いやー困ったなー!これじゃあクラスの男子どもは私にメロメロかな!?」


「...やっぱり馬鹿っぽいですね」


「あーっ!やっぱり凛ちゃん私のことバカっぽいって思ってるじゃん!ひどいよー!」


「ふふっそんなことはありませんよ」


「あーまた笑ったー!やっぱりバカにしてるでしょー!」


こうして私たちの放課後は過ぎていく。

楽しい時間が終わってしまう...

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放課後の少女達 九八 @tukisirosiro

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