第362話 即心是仏その十三 即心是仏の即

 「「そく公案こうあんあり、見成げんじょう相待そうたいせず、敗壊はいえ廻避ういひせず。」

 「即」とは森羅万象があるということである。森羅万象は森羅万象として絶対的にあり相対的なものではなく、壊れて消えることを避けようとすることもない。

 公案とは公府の案牘あんとく、中国で政府が是非を判断したものを示した文書のことだそうだ。それは法とも言えるのではないか。法は仏法という意味で使われることもあるが、森羅万象を意味することもあるように思う。全ての存在は真実・真理(法)の下にあり森羅万象そのものが法であるということではないかと思っている。

 森羅万象は森羅万象としてありのままにあるのだから、有るとか無いとか相対的なものではない。ありのままにあるのだからそれが変化したとしてもあるがままに受け止めればよい。そういうことではないだろうか。

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