第119話 現成公安その十八 自分でそう思っているだけ
「しかあれど、この大海、まろなるにあらず、
(大海に船で出た行くと水平線は丸く見える)そうであるけれど、この大海は丸ではなく、四角でもない、海の持っている要素というのは尽くすことができない。魚にとっては宮殿のようなものであり、天人にとっては髪飾りのようなものとなる。ただ自分の眼で見た範囲においては丸く見えているだけのことである。そのことと同じように大宇宙の真実・真理の要素というのも同じことが言える。
坐禅して大宇宙の真実・真理と一体となる時、自分は大宇宙の中の極々小さな一部るんであると実感する。そして森羅万象、大宇宙の全存在がありのままに存在していることを体感する。大宇宙の様相はこうだと言葉で説明できるような単純なものではない。膨大な複雑微妙な不可思議なものでありかつ厳然と存在している。そのことが実感される。
その中で瞬間瞬間を坐禅した身心で真実・真理を実現・実証していく。それが真に生きるということだ。膨大で複雑微妙な不可思議であることを身心で受け止めつつ瞬間瞬間真実・真理を実現・実証できる。それは体感であり、直観だ。言葉というような単純素朴なもので表現することはできない。
今の世の中、自分で見える範囲、自分で考えられる範囲が全てであるかのように書いたり話したりする人間ばかりだ。その浅はかさ、視野の狭さ、考えの偏向には恐れ入る。こんなことが続いているならば人類に未来は無い。
坐禅して真の世界を、大宇宙の真実・真理を身心で感得せよ。
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