第82話 辦道話その七十一 平等

 「とうていはく、この行は、在俗の男女なんにょもつとむべしや、ひとり出家人しゅっけにんのみしゅするか。

 しめしていはく、祖師のいはく、仏法をすること、男女貴賤なんにょきせんをえらぶべからずときこゆ。」

 第十三問答。

 質問して言うことには、坐禅は男性も女性もすることができるのか、ただ出家したした人間のみがするものなのか。

 答え。祖師は仏法を体得することは性別や社会的地位で差別されることはないと教えておられる。

 仏教は一切衆生を救うためのものである。すべての人間が大宇宙の真実・真理を実現・実証し、日常生活を大宇宙の真実・真理に従って普通に生きて行けるように教えるものである。

 だから性別や社会的な地位などで差別されるなどということはあり得ない。すべての人間を救えないのなら価値はない。

 安倍元首相殺害の犯人は「特定の宗教団体に母親が多額の寄付をして家庭が破壊された」と言っているという報道を見た(本当かどうかわからないが)。

 多額の寄付をする、お布施をすると信仰心が強くご利益があるなんてことをよく言うが、こんなものは宗教ではない。すべての人間を平等に救えないならば宗教の名に値しない。

 寄付とかお布施というのは宗教団体の経営問題であって宗教の問題ではない。宗教団体の維持、関係者の生活資金をどう稼ぐかという問題であって、人間の救済とは全く関係ない。

 仏教は真実・真理を知りたいと願い坐禅するものはすべて救われる、真実・真理を体得できるのだ。

 

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