第27話 辦道話その十六 坐禅した瞬間に世界が変わる

 坐禅した瞬間に世界は一変する。坐禅した身心で行動する世界は真実・真理の世界となる。

 真実・真理になっていない身心が取る行動は悪だ。プーチンのウクライナ侵攻を見ればわかる。どんな理屈を言おうが人間を殺戮し、破壊する行動が正しいなんてことはあり得ない。すなわちプーチンの身心は真実・真理の状態ではない。異常な状態である。

 歴史を見れば、真実・真理ではないことが「正義」の名の下に行われたことだらけだ。

 ロシアが非戦闘員、民間人を殺戮したという。戦争が理性のもとに行われるなんてあり得ないだろう。

 アメリカだって第二次世界対戦の時、広島・長崎に原爆を落とし、東京大空襲を行って民間人を大量虐殺している。そしてそれは正義の名の下に行われている。

 つまり人間の身心が真実・真理の状態にない限り、どんな思想であろうと主義・主張であろうと残虐非道なことが正義の名の下に行われるのだ。

 身心を本来の真実・真理の状態にしない限り、今後も残虐非道なことは避けられない。

 この当たり前のことがきちんと理解されていないのが残念です。

 だから坐禅しなければならないのだ。

 「諸仏如来しょぶつにょらいをしては本地ほんじ法楽ほうらくをまし、覚道かくどう荘厳しょうごんをあらたにす。および十方法界じっぽうほうかい三途六道さんずろくどうの群類、みなともに一時に身心明浄しんじんみょうじょうにして、大解脱地だいげだつちを証し、本来面目ほんらいめんもく現ずるとき、諸法みな正覚しょうがく証会しょうえし、万物ばんぶつともに仏身を使用しようして、すみやかに証会しょうえ辺際へんざい一超いっちょうして、覚樹王かくじゅおう端坐たんざし、一時に無等々むとうどう大法輪だいほうりんを転じ、究竟無為くきょうむい深般若じんはんにゃを開演す。」

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