知識でとろけて

シヨゥ

第1話

 勉強をしたいと思うようになったのはいつ頃のことだろうか。子供のころは勉強なんてしたいと思わなかった。勉強するより遊んでいたいという思いが強かった。


 子供のころは知りたくもないことを勉強させられていた。基礎教養だから勉強しなきゃならないんだと、机に縛りつけられて、知識を流し込まれていた。

 流し込まれた知識は吸収されることなくどこかへと流れていった。それもそのはず。そんなものぼくらは吸収していられなかった。ぼくらはその代わりにゲームや音楽を吸収していった。それこそがその時ぼくらが吸収したかった知識だからだ。そこに余分なものは混ぜられたくない。だからぼくらは勉強にノーを突き付けた。勉強したくないと、勉強なんてだるいと言って逃げて回った。


 そんなぼくが今では勉強したいと思っている。あの勉強から逃げ回っていたころの自分を張り倒したいとさえ思っている。

 それはきっとぼくが完全に趣味として勉強をしているからだ。つまりこの勉強は子供のころのゲームや音楽と同じなのだ。ゲームと音楽にずぶずぶにはまって幸せにひたっていたように、吸収したい知識を吸収する快感をただひたすらに味わってその幸せにひたっているのだ。

 学びたいことを学ぶ。それだけで勉強は楽しくなる。そう思うのだ。

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知識でとろけて シヨゥ @Shiyoxu

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