異世界転移でなった役職は死神でした

ブドー

第1話 死神

「皆さん初めまして俺の名前は鎌谷和輝、俺は今一人寂しく異世界キャンプをしている。何故って?それはだいたい10時間前ぐらいのこと。」




キーンコーンカーンコーン

「は~いみんな席に座って授業始めるよ」 

と学校のチャイムが鳴り先生が教室に入って来た。

「じゃあ今日は前回の羅生門の続きからやるよ。今日は9月9日だから9番の人から順番に読んでもらうよ」 

と先生が言うと生徒全員が、えぇーと言った。

そして9番の生徒が読もうとした瞬間教室が眩い光に包まれた。

目を開けるとそこには先程まであった机や教卓が無く、多勢の鎧を身にまとった兵士達がいた。

「おおこの者たちが世界を救ってくれるのか」

声が聞こえた方を見るとそこには、王冠を被った老人が玉座に座っていた。

「貴方は一体誰でどんな目的で私達をここに連れてきたんですか?」

と先生が国王と呼ばれた老人に問う。

「おっと自己紹介がまだだったな。儂の名前はロムス=オールス人間国の王をしている。そなた達を呼んだのは他でもない。つい最近魔王が復活したとの情報が手に入ったのでな、その魔王を倒してもらいたくそなた達を召喚したのだ」

とロムスは先生と生徒に事情を話した。

「そんな魔王を倒してと言われても私達はただの人間ですよ。そんなの無理に決まっています」

とロムスに言う

「安心せいそなた達は強いまずステータスを確認してみると良い。ステータスと言うと目の前に自分のステータスを見ることができる」

国王にそう言われて先生そして生徒たちが次々にステータスを表示させた。

「ステータスの一番上に自分の役職が表示されている確認してみると良い。ちなみに役職は勇者や聖者、射手、魔術師などさまざまな役職が存在している」


鎌谷和輝 Lv 1

役職 死神

体力 150 攻撃力 24 素早さ 35 防御力 20

魔力 124

スキル無し

武器無し

魔法無し


「あれ俺の役職が死神何だけど」

と和輝が言うと国王は焦りながら立ち上がり周りの兵士たちに拘束するように指示した。

「この者をとらえよ!おのれ魔王軍のスパイめよくも騙してくれたな」

国王は怒りをあらわにしながら和輝を睨みつけた。

「待って下さい。和輝君は人間ですよ!なぜ拘束するのですか?!」

と国王に問う先生

「死神とは魔族だけが選ばれるものなのだ。そして此奴の役職は死神つまり敵なのだ」

と先生に説明する国王 

「待って下さい。和輝は死神でも俺たちの友達なんですよ」

と一人の男子生徒が言った。

「悠斗」

と和輝は友達の名前をつぶやく

「お主の役職は何だ?返答次第でお主も拘束させてもらうかもしれぬ」

と悠斗の役職を聞く国王

「俺の役職は…勇者だ!」


東悠斗 Lv 1

役職 勇者

体力 162 攻撃力 56 素早さ 42 防御力 25

魔力 100

スキル無し

魔族特攻

武器無し

魔法無し


「何とそれは誠か?!」

驚きを隠せない国王を横目に悠斗は和輝に近づく。

「お前はいっつも変な役だな」

と悠斗は呆れながら和輝に言う。

周りを見ると未だに和輝を睨みつける兵士がいた。

「悠斗すまんな自分勝手で」

と悠斗にだけ聞こえる声で言うと和輝は悠斗を押し飛ばした。

「そうだよ俺は魔族だ。せっかく潜入できたと思ったのによ。自分の役職はやっぱり素直に言うんじゃ無かったよ」

と言うと国王の兵士たちが勢いよく和輝に向かって襲い出した。

「魔族めここで始末してやる!」

と一人の兵士が斬りかかってきたが、和輝は素早く回避し兵士を戦闘不能にした。

(もともと空手やら合気道とかやらされてたから良かったけどこいつマジで俺のこと殺しに来たな)

と思いつつ和輝は兵士の頭を掴んだ。

「こいつの命が惜しかったらそこから一歩も動くなよ」

そう和輝が言うと周りの兵士たちが止まった。

「おい和輝!」

と悠斗が和輝に向かって歩き出そうとする。

「おっとそれ以上近づくなよ勇者こいつの命がどうなっても知らねえぞ」

和輝は兵士の頭を掴んでいる手を兵士の首に移動させた。

それを見た悠斗は大人しくその場に留まった。

「じゃあな悠斗」

そう言うと和輝は兵士を離し城を追い出された。



「まぁこんなことがあった訳で俺は今キャンプを楽しんでいると。今思ったけど……恥ずかし過ぎるし最悪の別れ方をしてしまったよ。いつかきちんと話をしたいな。まぁ俺は自由にこの世界を楽しもうかな。まずは魔法の勉強でもしようかな…眠いから寝るか」 

そう言うと和輝は眠りについた。

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