いたずらっ子な彼氏
お風呂上り、髪を乾かそうとしていた時のこと。
鏡を見ながら私が髪を梳かして、綺麗に真っ直ぐにした所で、彼氏が突然こう言った。
「あ、ゴミ付いてるよ」
真剣な眼差しで、丁度今梳かしたばかりの髪を見ているから、何かそこにあるんだと思って鏡を見る。しかし、彼氏の視線が向いていたところを探してみるが、全然ゴミなんか見当たらない。
「え、どこ?」
そう尋ねると、彼は私の髪に手を伸ばした。
そして…
「いてっ」
髪の間から見えていた、私の耳を引っ張った。
「ああ、ごめんごめん、耳だったか!」
なんて白々しく言う彼。
全く、こっちは本当にゴミが付いていると思って真剣に探していたのに。彼は、時々こういうしょうもないいたずらをしてくる。そして単純な私はいつも騙されるのだ。しかし、毎回いたずらのレベルが本当にしょうもなさ過ぎて、ついつい笑ってしまう。すると彼も嬉しそうに笑うから、もしかしたら彼は私を笑わせるためにいつもいたずらを仕掛けてくるのかもしれない。なんて思ったり。
彼は常にボケ倒してくるタイプで、恐らく人を笑わせるのが好きなんだと思う。しかし、そのボケ方がなかなか独特で、私は初めて出会うタイプの人だった。人と違った発想を持っていて、普通の人じゃ思いつかないようなボケをしてくるから、私は彼のそんなところが面白くて好きだ。(独特なボケの話は今後どこかで出来たらいいなと思う。)元々ツボが浅い私だから、彼といると本当に笑いが絶えない。彼曰く、私が笑うポイントはもうわかりきっているようで、常に笑わせに来ているらしい。
そうとはわかっていても、面白いのだから笑ってしまう。まあ、何度も言うが彼のボケは独特なので、結構他の人には伝わらないことが多い。発想が独特過ぎて、ついていける人が少ないのだ。私はそんな彼のボケを理解できる数少ない人間なのである。だからなのか、笑ってもらえるのが嬉しいようで、私の前では常にボケ倒している。前に彼が「紗奈といると何でも笑ってくれるから、自分が面白くなったような気がして調子乗っちゃうんだよね~」と言っていた。私からしたら、彼ほど面白い人は見たことがないので、是非とも彼の面白さをみんなにも理解してもらいたいのだが、なかなか難しい。発想が斜め上だから、結構頭の回転が速い人じゃないとついていけないのかもしれない。多分私が彼についていけるのは、同じような頭をしているからで、今考えると初めから私たちは似たような考えをしているところがあったなあと。何となく言いそうなことがわかったり、同じこと思ってたり。
…ということは、もしかしたら私もちょっと変わった人間なのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます