旅路

暗夜行路の最中にて

それぞれがそれぞれの道を往く

同じ道を歩くことなんてない

必ずどこかで道分つ


それを悲しいかどうかは分からない

少なくとも僕は受け入れられなかった

自分勝手と笑ってくれよ

誰かと一緒の道を歩くと思ってたから


でもそういうことじゃないんだよな

人誰でも道は違う

似た経験でも同じ経験じゃない

僕らの旅路は前例のないレールを走ってる


そういう旅路に於いて

それぞれの旅の近況を伝え合うのが隣人で

結局それは恋人であっても変わらない

同じ道を歩くことなんてない


それを悲しいと思うかな

いやそうは思わないぜ

それでも寄り添える人達がきっと結ばれる

そういう人たちを僕は見てきた


結局僕はそう思えなかった人間で

だから今も過去の人の旅路の無事を祈ってる

そう思えるようになったのも最近で

その旅路を邪魔したのも僕だ


それを「過ぎたことなんで大丈夫」という言葉で

そんな簡単に片付けられるほどの事じゃない

だから今でも僕は引きずってるんだ

これは「未練」じゃなく、そうした「後悔」だ


「気にするな」と人は言うが

やり直しの効かないこの旅路に於いて

個々の責任は思ってるより大きい

それに気付いたのも結局最近になってからだ


今はもう過去の話だが

ずっと僕はその『過去』に取り憑かれてる

だから余計に願うのだ

過ぎ人の旅路の安寧を

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