身代わり婚約者なのに、銀狼陛下がどうしても離してくれません!
くりたかのこ/ビーズログ文庫
序.非日常は突然に
ベルンシュタイン
『
それだけが記された置き手紙を前にして、ベルンシュタイン伯爵夫妻は目を
「クリスティーナの姿がない……? おまえたち、本当によく捜したのか!?」
「ああ、クリスティーナ!
愛娘の
この混乱のただ中、アイリ・ベルンシュタインはひとり頭を
それは、失踪したクリスティーナ──アイリの義理の妹からの手紙だった。
『お姉さまへ あたくし、
クリスティーナは続けて失踪の理由を記していた。
社交界で
すでに
『そんなの、とっても
──暴君……? ナイショって……どうすればいいの!?
アイリ・ベルンシュタインは、伯爵家の養女であり長女である。
アイリの生まれ育ったこの国において、ベルンシュタイン伯爵家は
数百年の昔、異民族の
現代にまで、不定期ながらもベルンシュタイン伯爵家からの王妃
前回、王妃を出してからもう百年は
なんとか場の冷静を
「叔父様? とりあえず、クリスティーナは〝急病〟ということにしませんか? あの子を捜す時間を
建設的な提案をしたつもりだったが、伯爵は目を剝いてアイリに対し
「それはならんっ!」
「ど、どうしてですか……?」
「ええい、ならんものはならんのだ! ともかく、明日、
「えええっ!?」
「
両手を組み合わせて天に
願いも
一晩中、広間の
「……アイリよ」
「え、は、はい」
名指しされるとは思っていなかったアイリが
「クリスティーナは、必ず捜し出して連れ戻させる。だから、とりあえずおまえが王宮に向かいなさい。おまえが、陛下に拝謁するのだ!」
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