Episode 2-2 狩りの時間
藤井は手下を整列させた。
「いいかよく聞けこのウジ虫野郎共!お前らのクソ弱リーダーは俺の一撃でこのザマだ!」
藤井は元ボスだった男の頭を蹴飛ばした。
「お前らはこのクソ雑魚リーダーにすら勝てねえウジ虫野郎共だ!」
「・・・・・・(・д・)チッ」
手下の一人が舌打ちをしたその瞬間、藤井は舌打ちをした手下の顔をフルスイングで殴り・・・二度と舌打ちをすることはなくなった。
「・・・俺に少しでも逆らう奴は許さん!」
藤井は、この世界の人間を自分と同じ人間だと思っていなかった。
魔物や各種種族のいる異世界の環境と、斬っても殴っても殆ど感触もない鉄人鎧と光剣は、藤井の現実感を奪っていた。
「・・・・死にたくない奴は俺の言うことを聞け!理解したかこのウジ虫野郎共!」
「・・・・・・返事は!?」
「は、はい!」
「声が揃わない!もう一度だ!」
「「はい!」」
「声が小さい!!」
「「はい!!」」
「よし!・・・街道に向け前進を開始する!全員我に続け!細部は現地で示す!」
短剣やナイフ、弓矢で武装した貧弱な装備の手下達は、藤井と共に西の森を通る街道に向かった。
西の森の街道はノルドバーン王国王都から西の宿場村の「ウエストドフ」を繋いでいる。宿場街の更に西には宿場村「ウエストグレンツェ」があり、国境に接している。
藤井達は、ウエストドフとウエストグレンツェの真ん中あたりで待ち伏せをした。
西の森に囲まれた宿場はいずれも街道を通る交易品がなければ生活出来ないが、西の森を狩り場とするハンター達が採取する魔石による交易品との物々交換、または買い取りにより成り立っている。
道中は魔物が出るため、商人の商隊は露払いのハンターが雇われていることが多い。
藤井は街道を通る小規模な商隊を襲撃した。
商隊の前方から弓で先頭の馬車馬を射て止め、後方から手下達が短剣やナイフで馬車を襲った。
護衛の銃手が馬車から飛び出てきて手下を銃撃をしようとした瞬間、藤井は石礫を投擲した。
鉄人鎧の力で増幅された運動能力は、石礫を某二刀流メジャーリーガーより速く正確に飛ばし、銃手は銃手ではなくなった。
藤井は偽装機能を作動させ、素早く小移動を繰り返しながら正確な投擲で銃手や弓手を潰していった。
こうして呆気なく商隊を全滅させ、藤井は手下に命じて護衛の武器などを奪い、その死体を森の奥に投棄した・・・いずれ魔物のエサになるだろう。商人の死体はそのままにし、荷の半分程度を奪い、アジトに戻った。
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