やめないで! 僕のみーちゃん

大宮れん

「解説」

登場人物

○ポートガールズ

横浜、横須賀を拠点にして「港系アイドル」を自称するご当地アイドル。定期公演のことを停泊、イベントを寄港と呼んでおり、衣装はマリンルックをモチーフにしたものが多い。

「おれ」はたまたまアイドル好きのフォロワーがアップしていたセーラー服の衣装が可愛くて、調べるようになったのが出会いだった。


▶︎ 愛甲美颯 / みーちゃん

「おれ」の最推し。グロウライブというライブ配信アプリで少ししか投げ銭していないにも関わらず、認知してくれた上に丁寧なレスもくれて虜になってしまった。

今年、晴れて大学一年生となった彼女はグループでは中学生メンバーの〝まいみー〟よりも背が小さいが、そのコンプレックスからかそれを感じさせない圧倒的なダンススキルと歌唱力を兼ね備えている――と「おれ」は確信している。


▶︎ 秋谷麗蘭 / れいら、れいちゃん

ポートガールズの二代目リーダーで、大学三年生の二十一歳。幼い頃からバレエをやっており、自身が振付を担当する楽曲も多数。リーダーとしては二代目だが、六年前の立ち上げの頃からの初期メンバーではあるのでSNSのフォロワー数、人気ともにグループ一位の自他共に認めるリーダーで、みーちゃん推しの「おれ」もみーちゃんを除くとチェキを撮ってもらった回数は一番多い。


▶︎ 柊木千成 / ちなりせんせー、ちーちゃん

あだ名の〝ちなりせんせー〟というのは名前の「千」と「成」を音読みしたものだが、グループでは仲間に厳しくファンに優しいしっかり者のため、あだ名の通りグループでは先生のような存在。今年で高校三年生になる彼女はそれまで長くさらさらとした髪が特徴だったが最近ばっさりと切ってより大人っぽくなったとファンの間ではもっぱらの評判だった。


▶︎ 豊明こなつ / こなっちゃん

いつでも元気よく、誰とでも数秒で友人になってしまう彼女はグロウライブなどのライブ配信でファンからのお悩み相談を行っている。その回答はどれもボーイッシュを通り越して男前と評されており、女性ファンが多い。

ただ、虫と辛いものが極端に苦手で、その時だけは小さな子どものようにメンバーに助けを求めるので一時期〝こなつ〟推しのファンは激辛のインスタントラーメンや子ども向けの駄菓子などをプレゼントするのが流行ってしまったことも。


▶︎ 跡見まい / まいみー

最年少の中学三年生で加入してまだ一年だが、グロウライブでのフォロワー数が急上昇中。真っ白で透明感のある肌をしており、ほっぺたが異様に柔らかいため他のメンバー(主に〝みーちゃん〟)から「もち頬」と言われてぷにぷにされることがしばしば。

母親も父親も公務員ということを明かしており、そのためか人を一切疑わないまっすぐな性格をしている。ただ、それゆえにどっきりの仕掛け人ができないなどの弊害も。



○その他人物

▷ 「おれ」

川崎で某有名食品メーカーの孫請の工場で働いている二十二歳。恋人はおらず、女気のない生活を送っていたが、SNSでセーラー服風の衣装を着たポートガールズをたまたま見かけて以降ファンになる。

最初の頃は加入したばかりの〝まいみー〟やリーダー〝れいら〟の配信を主に見ていたが、〝みーちゃん〟のとある配信を目にして以降、〝みーちゃん〟推しになり、今ではほぼ全ての楽曲で振り真似ができるほどになった。


▷ 江口さん

ポートガールズの古参ファンの一人でカメラが趣味なので撮影会には必ず参加しており、その画像をSNSでアップすることで布教活動をしている。

そのため、新規ファンにも優しく、顔も広いため、コール会議を主催するなどのTO的な側面も。

〝ちなりせんせー〟推し。


▷ 文香(ふみか)

おれの妹。大学生で二次元と2.5次元俳優にしか目がないかなりの面食い。リブキャストというアプリでライブ配信をしながら推しの良さを語り合ったりするなど、おれとは違う推しの支援の仕方をしており、そのせいかフォロワーはおれの10倍いるため、時々頼み込んで〝みーちゃん〟の投稿をシェアしてもらうことも。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る