第148話そこにある異世界5

皆さまごきげんよう、わたくしエルマと申します

王宮住まいのただの一般人ですの


ただ今さくらさん、ルネさんと一緒にさくらさんの妹であるすみれさんを救出に異世界へと移動中でございます


すみれさんの持つルーンのブレスレット

本来は魔石を使うところ、さくらさんに用意して頂いたあちらの世界のラピスラズリを使用しておりますの

こちら、ダンジョン内から取れる魔石の数十倍の魔力を貯めることができましたのよ


その結果あれほど小さな大きさにも関わらず超絶魔法の部類に属する効果を発揮出来る様になった自信作ですのよ


それを種類をかえて10個のルーンをつなげて今までのルーンの集大成のになるルーンブレスレットですの


主に装着者を守るための術式を詰め込んでおりますの


障壁のルーン

物理攻撃はもちろんのこと、精神攻撃、また無意識の危険、わりとあらゆる攻撃に対して障壁を瞬時に形成し対応。そのタイムラグは0秒きっかりですのコンマ秒も待たせませんわ


守護者のルーン

実体化可能のスピリットガーディアンが

装備者が何者かと敵対行動を取っている時にのみ姿をあらわしますわ

解析機能を盛り込んであるAI守護者ですわね

この守護者のルーンは他のルーンと連携が可能ですの


武器のルーン あらゆる武器を創造現出

魔法のルーン あらゆる攻撃魔法を使用可能

復活のルーン 死んでも2分までなら蘇生可能!あらゆるダメージを癒す

解呪のルーン 呪いなんてなんのその、あらゆる呪いを解きます

清浄のルーン 常に周りの空気を、また装着者を綺麗に保ってくれます、空気がなければ作ればいいんですの

ガーディアンはこれらの能力を自動で引き出し、使用しますの

他にも


偽装のルーンなんておもしろいですわよ。わたくしの解析、ルネさんの眼ですらごまかしますの

超常存在にすらただの一般人として認識されること請け合いですわ


収納のルーンこちらは様々なものを収容できますの、そうですわね…王宮くらいなら入るかしら?

でも使うことはないと思いますわ。いざというとき用ですわね。猫さん作のカバンの方が容量が大きいものがありますし


最後に

自爆のルーン 自爆はロマンですわ!周囲を巻き込み爆発しますの!もうだめだー!どうにもならないっていうときに発動させるのですわ!まぁそんなことにはならないですけどもね



以上、10のルーンで装着者を守りますの。ただ盗まれたらこまりますわよね、なのでこれはすみれさん専用にしておりますわ、せきゅりてぃも万全ですの



そういえばカンザキのおじさまには秘密にしているんですけども

ルネさんと一緒にはじめてさくらさんに会った時に気づいてしまったんですの


さくらさん、カンザキのおじさまの子供ですわね?血のつながりを感じたんですの


ただ、本人もおじさまも気づいていないようですし、さくらさんのお父様もしらないようでしたのでルネさんと二人の秘密にしておこうという話になったんですのよね


潜在能力がわたくしたち二人からみてもバケモノと言わざるを得ないさくらさんなのですが、それを生かすところに居ないためか普通の人よりちょっと強いとか健康とかそういう感じでしたの

何度かダンジョンに一緒にピクニックに行きましたら、すぐに強くなってしまわれてさすがといわざるを得ませんでしたわ


その妹というすみれさんなのですけれど

血のつながりはないようでしたが、相坂刀弥さんとお母上の相坂穂乃果さんの娘なのですよね

刀弥さんは異世界の勇者としての力を

穂乃果さんは「ほのかみ」太陽神としての力をすみれさんに伝えているのですわ

神族の血というものは神聖物なのでとてつもない潜在能力を秘めていますの

なので、すみれさんもさくらさんに匹敵するくらいの


バケモノなのですわ






すみれの投げたブロードソードはギルディアの頭を貫く

さすがの魔族もこれでは生きてなどいられないだろう


しかし


「ひゃひゃ…バケモンだなぁ…ひひ、おめぇ強いじゃねえか…」


ギルディアの消し飛んだからだの部分が少しづつ修復されていく

ギチギチと気色の悪い音をたてながら


「あ、まだ、生きてる!?」


慌てたすみれは今のうちに止めをささないとと考える

その考えがガーディアンに伝わってガーディアンは敵となるギルディアの解析をすすめる


ガーディアンの解析の元はエルマの物だ。それにルネの精霊眼の力の視覚化を応用してある

すみれの前にウィンドウが表れる


ギルディア

魔人

戦闘能力数値 2900

魔力 8900


特殊能力 魔爪 毒と呪いによる追撃 超回復

弱点 聖属性 火属性を伴うダメージ


現状・復活中



「え?なにこれ?」


数値はすみれ達が見ているステータスの数値と大きく食い違う

それは計測するやり方が違うためだ

こちらの世界の基準に合わせてあるわけではないから、意味のない数値といえる

参考程度にはなるだろうが


ガーディアンはすみれの持つ他のルーンから武器を生成する


武器のルーンより大剣を生成すると、それに魔法のルーンより支援魔法・聖属性火属性を付与する

それと同時に極大魔法であるホーリーレインを発動

聖なる火がまるで雨の降るがごとく対象に降り注ぐ


「ぎゃああああああああああああああっ!」


耳をつんざく酷い悲鳴が響く

すみれがびくりとおびえるならば、ガーディアンは不快な声を遮断する障壁を展開した

そして火の雨の降る中ガーディアンはギルディアを原型が消え去る程に切り裂いた


(対象の消滅を確認しました。状況終了します)



ギルディアはいとも簡単に、成すすべもなく本当に一瞬で消し去られてしまった


「えええ…なにこれ…」


すみれはちからが抜けたように、ぺたりとそこに座り込んでしまう

腕でまだ、ほんのりとひかるブレスレットをちらりと見ながらそのままぱたりと倒れてしまった






私たちは、占領していた魔族を倒した

その結果町は解放されてすこしだけお祭りみたいな事になってる


それには参加せず、宿屋にてアラン君の回復をまっている状態

シーナさんが頑張っているけど、あの魔族、ギルティアの毒と呪いは結構強力なもので

それの解毒と解呪に手こずっている状態です



「それにしても・・・すみれちゃんのソレ、凄かったね」


トワさんが私のブレスレットを見てそう言った


確かにそうなのだ、これが無ければ負けていたかもしれない

それに、私が聖剣魔法を使えた事もなぜだかわからない

あれは勇者であるアラン君の為のものなのに


私はモブ、漫画のカンザキと同じ立ち位置だと思ってたのに

なんだか違う気がしてきた



その後、アラン君を治したいと思っていたら再びガーディアンが現れてアラン君の毒と呪いを一瞬で回復させた

シーナさんがちょっとだけ泣きそうな顔をしたが、仲間が元気になったのは嬉しいらしく喜んだ



「緊急会議!」


元気になったアラン君はこういって私のブレスレットの話になる


あれはなんだ、伝説のアイテムなのかとか、色々と聞かれたが


「あ、姉のお土産なんですけど…確かに宝石だから、ちょっと高価なのよと聞いたくらいです」


「そう、お姉さんか…一体どこのお土産なんだろうね?」


素直に信じてくれたのはトワさんだった

私は古い記憶を思い起こす


「何処の…外国のとは聞いたんですけど、何処だったかな……ウル…?なんとか」


「もしかして、ウルグイン?」


「あー、そんなだったかも知れません」


「はぁ、そうか…君は誰の関係者なんだろう?相坂すみれ、相坂…もしかして、さくらさんの妹?」


「え!知ってるんですか?!」


「そうか…狭いな、世界は…知っているよ。さくらさんとルネさん、エルマさんだったかな。姉さんと一緒に帰ってきたことがある」


私が小さいころに、どうやらトワさんのお姉さんにも会ったことがあるということだった


そして、このブレスレットさえあればこの世界を救うことができる

そうトワさんは言ったのだった


私が思ったのとは大分違うけど、圧倒的な力をこのブレスレットは持っているらしい


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る