同日譚 或る異世界人の手記 壱
第一日目 その一
俺は異世界にやってきたらしい。持ってこれたものはごくわずかだ。麺棒と、財布と、そしてこの小さな手帳。とりあえず、今は多くのことを書き込んでいる余裕がない。ただ、一つのことを今、真っ先にこの場で書き残しておこうと思う。
この手帳の余白がすべて埋まるまで、俺はこれから毎日日記を書き続ける。余白がすべて埋まった時点でなお自分がこの世界にいたら、そのときその時点で、俺は地球に帰ることを断念する。そのように、たった今決めた。これが俺の決意表明である。
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