秘剣チンダス・オーガズム
あきかん
第1話
「乳首は立っているか?」
ウンダス文明最後の王、スカトロニウス4世は、この言葉を最後に歴史から姿を消した。後にフグリス・ヌーブラテス文明と呼ばれる彼らの暴動により、ウンダス川領域を支配していたスカトロ王朝は滅ぶ事になる。
革命の原因はスカトロニウス三世が行った食糞革命が始まりだった。スカトロ王朝は糞利用に長けた国であった。肥料や兵器利用に使用されていたそれを、食料問題の解決に用いたのだ。
糞を食べる。それが何をもたらしたのか。殊更述べるまでもないだろう。疫病が蔓延し、スカトロニウス三世への信用は地へと堕ちた。
この失策に反旗を翻したのが、フグリス・ヌーブラテス文明の発端であるスブリガークルム地区の人間である。
ウンダス文明は、服装の類を着ない。彼らは常に排泄を出来るように服の類を着なかったのだ。
対して、フグリス・ヌーブラテス文明は服を着ていた。皮を鞣した簡易な鎧を身に纏った彼らは十倍以上の戦力差を覆した。
さて、これから話すのはウンダス文明の最後の顛末である。
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