異世界に精霊とんぼが飛び立つ頃に
凛々サイ
プロローグ
プロローグ
今宵は待ちに待った日だった。
2022年11月8日、18時09分、月食開始。
そんな夜に、お前は行ってしまった、あの世界へ。
それも幼馴染の実久ちゃんまで連れてな。
わしの隣で父親がワンワン泣いとるわい。
わしもだがな。
次に再び月が引き合う日は2025年、9月8日。
その日が過ぎればこのだいそれた機械は破壊しなければならない。
例えお前達が帰って来れなくとも。
なあ、リキトよ、これはやはり運命なんだろうか。
わしは未だに分からないのだ。
どうあがいてもこうなる運命ならば、わしらは一体何であろう。
だが、一つ分かることは、お前に会えて本当に良かったということだ。
意味なんてないのかもしれない。
けれど、お前に会いたい。
それだけだ。
それだけで何が悪い。
意味がないと言われようともわしはまたお前に会いに行く。
何度でも。
それがわしにとっての望みだからだ。
またきっと会える。
例え、形は違っても。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます