紀貫之はおネエ系なのか?『土佐日記』が平仮名=女文字で書かれた裏事情

「男のすなる日記というものを女もしてみむとてするなり」


 男が書いている日記というものを女の私も書いてみるわ♡


 なんて、言葉で始まる『土佐日記』。


 わざわざ女のフリして、ちょいエロい話を書く男の紀貫之。


 おネエかっ!?


 でも彼はおネエではないと言う。(参考文献 井上ミノル 『もしも紫式部が大企業のOLだったなら』 創元社 2013年)


 紀貫之は勅撰和歌集『古今和歌集』の編者の一人。

 (※勅撰、つまり天皇の命令ってこと)


 894年に遣唐使が廃止され、中国(唐)の文化を真似るのではなく、国をあげて日本独自の文化を大事にする国風文化キャンペーン。


 文字は漢字、歌は漢詩から、日本独自の平仮名、和歌を推進しようという動きに。


 服装も日本独自の十二単、花も梅から桜が愛でられるように。


 そのような中で醍醐天皇の命により『古今和歌集』が発表された。


 その仕掛け人の紀貫之が、本を漢字で書くのはマズイだろ! ってことで、平仮名で(当時は女性が書く文字だったので)わざわざ女のフリをして書いたらしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る