『蜻蛉日記』藤原道綱母 美人妻の夫への不満ぶちまけ日記

『蜻蛉日記』の作者は藤原道綱母(ふじわらみちつなのはは)。


 平安中期の女流歌人(937頃~995年)


 簡単に言うと「藤原道綱君のママ」みたいな名前


 彼女はとても美人。


 夫はもともと父親の上司。


 美しい彼女を見初めた藤原兼家(ふじわらのかねいえ)が第二夫人にと希望。


 (平安時代は一夫多妻制)


 父は身分が違い過ぎると最初は反対するも兼家の猛アピールで結婚。


 可愛い息子も生まれて幸せ♡……なはずだった。


 しかし、子どもが生まれてから、夫があまり来なくなる。


 (当時は、妻の家に夫が通うという、通い婚が主流)


 彼女は自分が美人であるという自覚があるゆえに、自分も第二夫人なのに、他の女のところに行く夫が許せない。


 せっかく夫が来てくれたのに、中に入れずに締め出してみたり。


 それで夫が反省してくれるのかと思いきや、夫は「じゃあ、他の女のとこに行こう」みたいな。


 プライドが邪魔して可愛い女になれない彼女。


 ちょっとその態度で損してるよね? って感じなのだが、いざ自分が当事者にもしもなったとしたら、共感できるのかもしれない。


 当時、通い婚・一夫多妻制が当たり前の時代。


 夫の不満を日記にぶちまける彼女の話は、「これ面白ーい♡」みたいな感じで、女性たちの共感や哀れみを誘うほか、美人な女が浮気されてザマーミロとひやかしで見ている人まで現れ、それはそれで人気があったみたいです。

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