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〈陽菜乃視点〉
ハルの唇が離れ、閉じていた瞳を開き
ここがよく来る馴染みのバーで
今年最後の金曜日で…
店内も人で賑わっているはずなのに
店内に流れるBGMと離れた席からの
驚く声しか聞こえず…
改めて自分が何をしているのかが分かり
一気に恥ずかしくなってきた
シュン「・・・えっ!?」
真っ先に声を上げたのは俊君で
明らかに驚いて戸惑っているその声の方に
顔を向けれないでいると
私を抱きしめていた手が離れて
私の手をギュッと握ってきた
ハルト「紹介するよ!俺の彼女だよ!笑」
今度は私が頑張るって決めのに
何も言えないでいる私に気をつかったウサギが
皆んなの方を向いて私を紹介した
9個も年上の私のことを堂々と紹介してくれた…
ウサギの顔を見ると
あの子供の様な笑顔で私を見ている
〈アイツがアンタに向けた想いのどこに
恥ずかしい所があるんだよ!!〉
私に向けるウサギの目はいつも綺麗で…
真っ直ぐに私だけを見つめて
追いかけて来てくれる…
私がウサギに惹かれるのは当然なんだ…
真っ直ぐなウサギの気持ちを受け取っていて…
ウサギの良さを
誰よりも分かっているから…
〈アンタの彼氏はアイツなんだって!
そう胸はって言ってやってくれよ…〉
私はウサギと繋いでる手にギュッと力をいれて
カウンターの中にいるマスターの方に顔を向けた
「・・・・マスター……いい男でしょ?」
マスターは驚いた顔をしていたけど
直ぐにフフッと笑い出した
ユウキ「よし!陽兎と陽兎の彼女に
俺たちからお祝いのお酒お願いします!笑」
友樹君はマスターに「いい感じのヤツで!」と
言うと私の方を見てニッと笑っている
シュン「お…おー!!そうだな!笑」
コウ「マスター!ロマンティックなやつで!笑」
サトル「ロマンティックって!笑」
ウサギの友達は皆んないい子すぎるなと
思いまた鼻の奥がツンとしてきて視界が滲むと
ウサギの手が目尻に伸びてきた
ハルト「相変わらず泣き虫だね?笑」
そう笑って親指で溜まった涙を拭き取る
私の彼氏は世界で一番カッコいいと思いながらも
「生意気よ…」といつもの様に笑って言った
ウサギはこの日から内緒の彼氏でも
期間限定の彼氏でもなく
私の自慢の彼氏になった…
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