私のラビット君…

みゅー

第1話

〈ヒナノ視点〉





いつも行くお気に入りのバーが

今日はなんだか騒がしくて落ち着かない…





マ「ごめね?大学生が集まっててね…」





マスターが申し訳なさそうに眉を下げながら

頼んでもいない乾き物を

私の前に差し出しながら謝ってきた…





「あぁー連休だからねぇ…」





後ろの方から若いノリの声が聞こえてくるから

20代前半の子達かなとは思っていたけど





( 大学生だとは… )





普段このお店はマイナーなお客さんが

集まるような所で…



言ってしまえば、店内もオシャレじゃないし

特別にお酒も美味しいわけじゃない…



ただひっそりとマスターとその奥さんが2人でやっているお店で静かな場所なんだけど今日は駅前の

居酒屋の様に賑やかだった…




きっとこの大型連休で集まって飲みに出たものの

何処も満席でこの静かなお店に辿り着いたんだろうと

考えながら出された乾き物に手をつけた






男「飲み物なくなったー!マスター!おかわり!」




女「あたしのもおかわり!」





( 居酒屋じゃないっつーの!! )





後ろから聞こえてくる若者達の飲み方に

呆れていると座っていたカウンター席に

ガッと誰かがぶつかってきて

テーブルづたえに振動でグラスの中のお酒が揺れる…





( ・・・・・・ )





ぶつかった相手が「あれ!?」と言いながら

私の方に歩いてくるのが横目に見えて

(コッチにくるなよ)と思いながら自分の

手元にあるグラスに目を向けていた…







ハルト「おねぇーさん一人??笑」






「・・・アンタ・・何処の子よ…」






馴れ馴れしく顔を覗き込んできた少年に

イラっとしながらそう問いかけると

ニーっと細く伸びていた目がパチクリと

音を立てそうなマールイ目でコッチを見てきた







ハルト「・・・あっ・・アンタ??」




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