朝顔いつ枯れた?

@kurokuro0930

第1話 今になって

夏の始まりに、どこまでも優しく、マジメで、家族のことだけを考えて生き抜いた父が亡くなった。


大学も中退し、とことん好きなことだけやって中途半端なまま迷惑も失笑も「うらやましい」も一族に提供して来た48歳。


火葬場で家族、親戚は笑顔で迎えてくれる。

でも、居場所はない。


骨壷に父を納め、タクシーで実家に、親戚と別れ、姉も帰り、母と小さく感じる実家を眺めて


「仕事は頑張れそう?」


「うん、やるしかないね」


「なら、言うことないわ!」と母は笑う


情け無い、申し訳ない、何もできない、全部笑顔で隠してママチャリを漕いで自宅に立ち漕ぎで帰る


浦安駅、佃煮屋、焼きアサリ、葛西に向かう道路下の道を通って川沿いを漕いで、やっと呼吸が自分のモノに


苦しい、うまくいかない、低い自分に慣れすぎた


少しは、金を貯めよう、一番自分が出来ないことから始め直そう

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