もし特殊能力が使えたら

@ryu547412

もし特殊能力を自由に使うことが出来たら


 授業中にふと頭の中にある考えが下りてきた。「もし過去を変えられたらな。」と。それができたらもう少しまともな人生が送れるのではないかと思った。

 現在高校生である自分は親も早くに亡くし「こんな選択をしていなかったらもっと充実した生活を送れていたのではないか」と思うことがある。昼休みになりご飯を食べながら「あー過去に戻りたいなー」と軽く口にした瞬間時空がゆがみそのまま気を失った。目が覚めたころ、白い部屋の中にいた。残り二回です。という音声が聞こえた。しかし、よくわからなかったので無視をした。             「こぉきょはぁどっこ」あれ、うまくしゃべれないし、立つこともできないしいまいち状況がつかめずにいた。それから数分経って自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。どこか聞き覚えのある声で優しい声だった。その声の正体は事件で死んだはずの両親の声だった。親が死んでからずっと一人で生きていたのでその優しさに思わず涙がこぼれそうになった。

やっとわかったことは自分がタイムスリップをしたいうことだ。

しかし一つ異変が起きていた。前の時には見覚えのない金庫を親が持ち帰ってきた。親に聞いても言葉を濁すだけだったので記憶違いだと思い放置することにした。

そして親が死んでしまう日の前日になってしまった。このまま幸せな時間を共有したいと思った僕はどうにかして親の事件を阻止したいと考え、その日は家にいることを薦めた。長い時間二人で話をしていた。しかし、親はどうしても仕事の都合上行かなくてはならなかった。だから僕は親の後を付けて危険なことがあったら助けられるように備えることにした。しかし、助ける術がないことに気づいた。そして最悪なことにいざという時が来てしまった。角を曲がったところで見失なってしまった。叫び声が聞こえてその方向に行ってみると親がさされて倒れていた。自分はやはり何もできずにしかも今度は目の前で親が死んでしまった。また同じ悲劇を繰り返してしまった。

それから親を助ける方法がないか考えた。まず過去に戻り親に出かけないように説得する。そして警察にいって警備してもらう。そして強くなり自分が警護をすれば解決できると思った。「あとは過去に戻ることができれば完璧だ」しかし過去に戻る方法がわからない。「どうすればいいんだ」確かタイムスリップしたときは「過去に戻りたいなー」って言ったらできたんだけど今はできないなーどうすればいいんだろうか」一回目の昼ご飯の時は昼ご飯を食べていたことを思い出した。そこで昼ご飯を食べながら過去に戻りたいなといったら、また時空がゆがみ始めた。

そして気がついたときにはまた過去に戻ることができた。「あと一回です」このアナウンスはタイムスリップのできる回数を表していた。また事件の起こる日になった。やはり前と変わらず親は仕事に行かなくてはならなかった。そこで交番に行き事情を説明した。「これから親が殺されてしまうかもしれないので助けてください。」と。しかしそんなウソかもしれない話に付き合うほど暇ではないと言われ結局自分で守らなくてはいけなくなった。そこで事件があった場所に先回りして犯人を倒すということを思いついた。

 しかしいくら待っても犯人は現れず別の方から「キャー」という声がした。慌てて近くに行ってみると今度はトラックにひかれてしまっていた。僕は頭がパニックになり自分の苛立ちを抑えることができずにいた。「おい!お前どういうつもりだ!」男は黙っていた。「こんな奴に俺の身近な人の人生変えられてたまるか―」と思った。そして男への怒りが込み上げてきた。すると自分の心の中の何かがカチっとはまる感じがしたすると二つ目の能力が解放された…。 

 自分では能力の使い方やどんな能力なのか分からなかったがなぜか地震が発生した。最初は自分がパニックで地震のことに気づくことができなかったが途中から揺れていることに気が付いた。そしてしばらくして心が落ち着いてきたらそれと共に地震の揺れも収まってきた。そのあと男に近づいた。しかし地震のせいかその場に倒れこんでいた。その運転手はひどく怯えていた、続けて「本当にすまない。取り返しのつかないことをしてしまった。あいつに頼まれて逆らえず…なんでもする何でもするから許してくれ。」と、自分は親を失ったショックで何をしてほしいかなど考えられなかった。だからとりあえず子分にした。これなら後から色んな事が頼めると思ったからだ。

 子分に、頼まれた奴はどんな奴か聞いた。

しかし自分もネットの匿名でこの依頼をされたからどんな奴かわからないと言ってきた。とりあえず突き当てる術がないためほかの方法を考えることにした

それから一ヶ月経って自分のあの能力をじぶんなりに分析してみた。それによってだいぶその能力がわかってきた。例えば、うれしい時には心地いい風と共に暖かい太陽の光がさしてくれる。というものだったり、冷たい物を食べた時は雪が降ったりと自分の感情・状態によって天気などを自分の周りに発生させることができるという能力だった。

 僕はこの能力をうまく活用できないかと考えた。例えば近くで火事が起きた時に消防署が来るまでの間自分から水を出せれば火事が広がることを防ぐことで困るようなことがなくなるだろうと思ったのだ。この活動をしつつ、自分の親を殺す犯人はどういうやつなのか、どうして殺し続けるのか考えた。親に職業は銀行員と聞かされていた。

そこで本当に銀行員なのか子分に調査させるように言った。数日後、子分から調査の結果を聞いた。銀行員という職業で間違いなかった。「それならなぜ親を殺し続けるのか。」自分には疑念しか浮かんでこなかった。

 それがわかったのは突然のことだった。引き続き調査をしていた子分が急に分かったことがあると言って連絡してきた。「平日は銀行の仕事をしながら休日は海外の人たちに不当な金額の融資をして返済時に多額のお金をとるという会社の方針による悪徳商法をしていたらしいです。」

 外国の人たちから恨みをかっていそうだという結論に至った。そこで実際に取引していた外国人たちに話を聞いてみたところやはり不満は抱えていたようだが、親の対応はとてもよかったという人が多かった。しかしよく思わない人もいたという情報を入手した。 

自分たちはその外国人に会いに行くことにした。廃墟となった工場に出入りしているという情報を頼りに工場に向かった。こちらを睨みつけるような鋭い眼光がとても恐怖心を煽られた。しかし、「この二人に見覚えがありませんか?」と写真を出した。相手の目つきが変わった。「そいつにはいろいろお世話になったもんだ」と皮肉交じりの地を這うような声が響いた。「そいつらのせいで俺の会社はつぶれたんだ。あいつらにあったら俺は何をするか分からねぇ」とだんだん声が大きく張りのある声になっていった。しばらく黙っていた。「お前そいつらの仲間か?」と突然口を開いた。「いえ、二人は僕の親です。」といった瞬間に、形相が変わり「今お前の親はどこにいる!」と荒れた声で突き詰めてきた。「半年前に死にました。」というと落ち着きを取り戻し「ははは。やはり神様はよく見ているもんだな。悪い奴にはしっかり罰を与えていやがる。ざまあねえな」といわれた瞬間怒りが込み上げてきたが「今回親を殺した犯人を見つけようとしているんです。」と言うと「今死んだことを知ったんだから俺じゃねぇ」「じゃあ誰か怪しい人とかいますか?」と聞くと「確か俺の友達に俺と同じようなことになって恨んでた奴がいたな。だけど俺はダチを売らない。」と言って奥の方に行ってしまった。

その後何度か行ったが全く会うことができなくなった。そこでその友達を探しそいつに聞くことにした。探し当てられたと子分から連絡があった。以前から気になっていたが「なぜそこまで調べることができるのか」と聞くと「実は情報系の専門学校にいたことがあってその能力を買われて軽いハッキングのバイトとかしてたんで」本来良くないことなのだろうが今はとても役に立っているため何も言えなかった。「今度は港の近くにいるみたいです。」「早速行こう。」港に向かうことにした。

 港につきその人物らしき人に声をかけた。

その人に間違いなかった。「すいませんこの人のこと何か知りませんか?」と親の写真を見せた。「この人たちは確か銀行の人たちですよね?」意外と落ち着いていた。「はい。この人たちが殺されてしまいまして少しでもわかることがあれば教えてほしいです。」「何も知らないですね。逆に僕が被害者といっても過言ではないですからね。高い金をとられたせいで弟の手術のお金が足りなくなってしまって弟は手術できずに死んでしまった。」と言うと我慢していた涙がこぼれ始めていた。「あいつらのせいで…」と冷静だった人がこんなに感情的になってこちらが申し訳なく思い始めた。こんなに聞いて誰も知らないとなるともう一度身の回りから調べていくことで何かわかることがあるかもしれないと思った。

 まず親の職場のことをもう一度よく調査した。すると会社の中で特に恨まれるようなことはなかった。そして近いうちにリストラされるはずだったということが分かった。

 次に住んでた家の中を調べることにした。「そういえば昔から金庫があったけどあれは何が入っていたのであろう」と気になってあけることにした。カギは自分の能力の氷で合いかぎを作った。そして開けると中には大金が入っていた。そして中に紙が入っていた。

「このお金は銀行のお金です。しかし本当ならこのお金は外国の人たちのお金です。自分たちにはこんなことを平気でやる会社が不憫で仕方がありません。そのためこのお金はその人たちに返してあげてください。」

 とにかく今はあの外国人たちにこのお金を返すことが先決であると考えた。まず工場の人たちに会いに行った。そこで状況を説明し、お金を返した。「悪いこといっちまったな」とよく理解してくれた。つぎに港の方にも同じようにお金を返し状況を説明した。親のことは許してもらえた。しかし弟が死んでしまったことにまだ納得できてなかった。自分も親を殺した犯人がまだわかっていないため清々しい気分ではなかった。「自分が絶対に倒し反省させます。」

 そして、親を殺した犯人の候補として銀行の関係者が急浮上したきっかけが起きた。それは二つ目の能力で人を助ける活動をしていた時に助けた人が銀行の人で「問題が起きてましてもしよければ助けていただけると嬉しいのですが…」そしてその銀行というのが親の働いていた職場だった。「その問題というのは頭取が裏の組織とつながって自分に不都合な人をリストラしたりひどいことをしたりして逆らう人を減らし完全な独立会社を作るのが目標だということが最近分かったんです。」もしかしたら親も方針に従わずに頭取に消されてしまったのかもしれないと思い、それに協力することにした。その日から銀行の内部のことを知るために清掃員という肩書で潜入した。そして頭取のいない隙に頭取室に入って盗聴器を仕掛けた。そして弟子に何か動向があったら連絡するように言った。銀行で働き始めて一ヶ月が経った頃「今度裏の組織と思われる人と会食をする予定です。場所は料亭で行われるらしいです。場所は携帯に送っておきます。」と言って地図が送られてきた。

 自分もそこに行って何か情報をつかめるようにとそこで食べることにした。そして頭取を尾行した。途中で明らかに怪しい人と合流して料亭に入っていった。そして間を開けてそこに入っていった。

 そこにはこちらに銃を向けた頭取と裏の組織のやつがいた。「いつから気付いていたんだ?」と言うと「何もかも知っていたよ」と言った。「どういうことだ」と聞くと奥の部屋から子分が出てきた。

 「最初からスパイとして近づこうとしていたら運よく子分にしてくれたからラッキーってほんとにありがとうな!」全てを聞いて裏切られた怒りと仲良くしていたのは嘘だったのかという悲しさが溢れてきた。しかし落ち込んでいるわけにはいかない。銃を突きつけられているからだ。「こういう緊急時用の食べ物を持ってきて正解だった。」と氷を食べた。そして銃に向けて氷のビームを打った。二人には当たったが子分のやつにだけ当たらなかった。「まさか直接手を下せるとは思いませんでしたよ。」と言うと子分が謎の液体を飲んだ。すると肌が紫色になった。「これは自分の身体能力・潜在能力を最大限まで引き出せる薬だ。これを飲めばもう余裕で勝てる」そう言うと羽が生えたり突然火を吹いたり周りのものを触れてないのに破壊したりした。そして熾烈なバトルが始まった。お互いの能力を駆使して自分は炭酸を飲んで周りの空気を弾けさせるようにして空中戦をしたり海中で泡をまとって空気がある状態で戦ったり様々な場所で適応した戦い方をした。そして時間がたち、「はぁはぁなかなかやるじゃねーかおまえにもこんな能力があったなんてな。」「もう疲れたのか?子分に負けてもいいのか?」と子分は余裕があるように見えた。

「でもお前の能力だいたい掴んだぞ。破壊してそれを操ったりこの世の環境に即座に対応して進化できる能力だろ。」「それがわかったところで勝てないんじゃ意味ないだろうが。」環境を急激に変えれば対応できなくなり弱るのではないか。しかしどうすればいいんだろうか。すると視界が狭まった。慌てて振り返ると俺は刺されていた。「やっと終わったぜ。」と言い放ちそいつは俺の前から離れていった。「くそやっとここまで来たのに…」意識が遠のいていく中で走馬灯のようなものが見えた。そこには親と過ごした光景が写っていた。「俺ももうそっちに行ってしまうのか。」しかしその時現実世界で自分を呼ぶ声がした。最初は空耳かと思ったが何回も呼ばれて確信した。しかもそれは母の声だった。「え、どうしてここに?」なんと母が幽霊として現れたのだった。「やっと能力が解放されたみたいね。なかなか解放しなくて焦っちゃった。だからわざと危険な目にあってみたんだけどまさか死んじゃうなんてね、アハハ。」「いや笑いごとじゃないよお母さん。それでなんでここに?」「実は私幽体の能力があってなんか私たちのためにいろいろやってくれたみたいだったからちょっと助けようかなーって思って。」と言って肉の塊をくれた。「これは向こうの世界で手に入れたんだけど筋力増加と回復力を高める効果があるの。だからこれで頑張って!」と言って消えてしまった。そして自分はすぐに立ち上がり元子分を追いかけた。「おい!待てよまだ勝負は終わってないだろうが!」「相変わらずしぶといですね。」こうしてまた戦いが始まった。そして勝負は一瞬で決着が着いた。自分の弱点を肉の力が補ってくれて終始有利なまま終わった。「お前にしては頑張ったんじゃないか?」「うるせぇ!一度ならず二度も負けてしまうなんて」そのあと三人の身柄を警察に渡した。そして頭取に事情聴取をした。なぜ親を殺したのかなど色々聞いた。返ってきた答えは頭取のわがままな答えだった。「俺の意見に反抗したり俺の早期解任を促す提出書を出したりしたからリストラしようとした。しかし、それにひるまずに俺の悪事を世間に公表すると言ってきたから殺そうと思った。」これを聞いて自分は怒りが抑えきれなくなりそうだった。

 その後頭取の悪事もすべて世間に公表されることとなった。そして最後のタイムスリップでこのことを親に伝えて親と暮らせる日々を取り戻そうと思いタイムスリップをした。

 目が覚めると中学生のころに戻っていた。「二人ともよく聞いてこの後二人は殺されるの。だからその日は家にいて。」と言った。しかし話し始めた。その会話を聞いてみると「まだ特殊能力が発現していない、だから発現できるようにわざと危険な目にあった方が…」という声が聞こえてきた。この時自分は危険な目にあってでも発現させようとしてくれていたやさしさに気が付いた。しかしそれならもう発現している。だから自分は二つ目の能力を見せた。すると、「おぉやっと発現したか。いつの間にできるようになっていたんだ?」「二人を救うために未来にいた時に発現したんだ」「おかしなことを言うもんだ。」と笑われた。しかし頭取がやろうとしている悪事など自分が知っている情報すべて教えると、中にはもう親が知っていた情報もあって「なんでそれを!?」と驚いたように聞き返してきた。「だから未来から来たって言ってるじゃん」と言って未来で自分が頭取を捕まえたことなども話した。そして、「わかった。信じられることではないが辻褄もあっているし言うとおりにするよ」と遂に家に留めることができた。こうして親が死ぬことはなくなった。しかしまだ頭取の悪事というものが残っていた。そしてついに決定的な証拠をつかんだ。例の裏の組織のやつに賄賂を払っている瞬間をカメラで抑えることができた。しかし頭取は当然諦めずに反省しないと予想していた。だから頭取の部屋に忍び込んで危険な時は自分の能力で助けるという作戦を立てた。ついに本番の日を迎えた。親がまず頭取室に行って頭取に裏の組織との写真を見せた。すると頭取は一瞬慌てたように見えた。しかしすぐに冷静さを取り戻した。「これを世間に公表されたくなかったら今すぐその運営方針を変えてください」すると「わかった。今後は変えてみんなで仲良くやっていこうじゃないか。」と返してきた。これには親もびっくりしてすぐには返事できなかったようだ。「話はそれだけかね?」と尋ねられ「はい」と答えた。「じゃあもう帰ってくれるかね?まだ忙しいんでね。」と言ってきた。「わかりました。失礼します。」と言って後ろを向いた瞬間に頭取が銃を構えた。とっさに自分は「二人ともしゃがんで!」と言って頭取に向かって氷を放った。しかし間一髪間に合わずに発砲されてしまった。「パーン」と大きな銃声が響いた。僕は慌てて親の方に近寄ると父が母をかばうようにして倒れていた。服からは血がだらだらと流れていた。自分はパニックでただ佇むことしかできなかった。そして母が救急車を呼んで銀行内の人が警察を呼んだ。こうして父は病院に運ばれ意識不明の重体となってしまった。手術をしたがもう覚悟した方がいいと言われ諦め始めていた時医者に呼ばれた。心拍数が下がってきているとのことだった。すると目覚めて父が「最後まで父親らしいことができなくて悪かった」と言った。「そんなことないよ。自分たちはこれからも一緒に暮らしていきたいだけだからお願い!生きて!」と言って少し息を吹き返したようだが現実は甘くなかった。どんどん下がっていきついに「ピー」という残酷な音が響いた。心拍数がゼロになった。周りが一気に暗くなるような感じだった。その後、葬式を行った。しばらく何も考えられるような状況ではなかった。しかし、ここで留まっていてはこれからの母との生活にも支障が起きてしまうので切り替えるためにもこの人助けをしようと心に決めるのだった。



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