76日目
鍾乳洞を奥へ奥へと進んでいくと、一面砂原の部屋が現れた。
さらさらとした砂は掴みどころがなく、生き物の手を水のように滑り落ちていく。
随分と乾燥しているようだ。
ゆっくりとそこに足を踏み入れる。
生き物の肩に乗った猫は「にゃう」と小さく鳴いた。
耳いっぱいに緊張感を張り巡らせながら歩いていると、突然砂が動き出した。
全てを飲み込まんと下へ下へと落ちていく。
しまった!
と慌てるが、後の祭りだ。肩に乗せた猫を間一髪宙へと逃れたドラゴンへと投げつける。
すでに生き物の体は半分程砂に埋まっている。
ドラゴンが必死に生き物のリュックに食いつくが砂の体積の方が大きく飲まれた体は動かない。
必死に逃げろと伝える生き物の手もそのうち砂に飲み込まれてしまった。
猫を背中に乗せたドラゴンが心配そうにその場を周回し「ギャー!!!」と泣き声を上げた。
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