75日目
白く美しい水が作り出した芸術を撫でていると、目の前から大量の蝙蝠が飛んできて視界を塞ぐ。
わたわたと蝙蝠を払いのける生き物の横で「キシャァー!」と猫が一鳴きしたら蝙蝠は向こうへと飛んで行った。
やはり、この猫、強い。
蝙蝠に齧られた耳を撫でながら生き物は、ドラゴンに降りてみたいむねを伝える。
快諾したドラゴンは、ゆっくりと鍾乳洞を降下して地面に降り立った。
つるつると滑りやすいので、気を付けないといけないなと思った矢先に、生き物はひっくり返った。
猫とドラゴンは身を捩ってけらけら笑っている。
生き物はむすっとしながら、リュックから水とパンを取り出した。
途端にぐるぐると鳴り始めるお腹を押さえる猫とドラゴンを現金だな、と見ながら、生き物は切り取ったパンの端を猫に放り投げ、残りをドラゴンの口に突っ込んだ。
がじがじ嚙み始めた二匹を見て、生き物はコロコロ笑いながら水を口にした。
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