73日目

再びドラゴンの背に乗り、地上付近を飛行する。

燃え盛る灼熱の森を抜けた後は、見渡す限りの砂漠が視界を覆った。

眼の中が、耳の中が砂が入ってゴロゴロする。

ぱたんと耳を閉ざして生き物は広がる砂漠に何かいないか目を凝らしていた。

視界の隅をごそごそなにか動くものが見える。それに視線を向けた瞬間、大きな大きな化け物が砂の中から飛び出して来た。

空を飛ぶ生き物一行を餌だと勘違いしたらしい。

大きな角を持ち、岩石の様な体をした体をくねらせてバタンバタンと空に飛び上がろうとする化け物を見て生き物は肝が冷えた。

ドラゴンとも違う。飛竜でもない。なんだ、アレは……?

恐ろしい物を見たような顔をして、生き物はドラゴンの背びれを握り締めた。

「ぎゃう!」と鳴くドラゴンは心強い兄貴の様だった。

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