72日目
ゆっくりとドラゴンの背から降り立つと足裏が燃えるように熱く、生き物は顔を歪めた。
辺り一面灼熱に包まれた地獄絵図。
谷の美しさからは全く想像ができない程、地上は、荒れ果てていた。
枯れ木の一本も経っていない。
猫はというと、だから言ったのにという顔で生き物を見詰めていた。
生き物は燃えるような足をゆっくりと進めていく。
きっとここだけだ。場所を変えれば美しい場所もあるはずだ。
生き物が縋るように歩くのを見て、ドラゴンは生き物の首根っこを咥えて釣りあげた。
まるで親猫が子猫を運ぶように器用に咥えられて生き物は唖然とする。
生き物の気持ちを汲んだのか、ドラゴンは左目をパチリと閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます