65日目

その日から生き物は例の泉の周りの整備に入った。

他の動物が泉に近付かないようにバリケードを張る作業を淡々とこなす生き物を見て、猫は「にゃう」と声をかけた。

いつになく真剣な顔で泉を封鎖する生き物を見てドラゴンと一緒に首を傾げた。


この泉の犠牲者はこれ以上絶対に増やさない。


無知が招いた結果だったとはいえ、生き物の脳裏には昨日倒れた鹿の姿がこびり付いて離れない。

もう、誰も苦しい思いはさせない。

自分だけ特別という不思議を抱えながらも、動物たちを守るため、生き物は杭を打った。

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