61日目

今日、生き物は起きるのが遅かった。

昼頃に目を覚ました生き物は、隣で冷たく固くなった犬を抱きしめていた。

抱き潰してしまったのか?と思ったがそうではない。

安らかな顔をして犬は冷たくなっていた。


何故?


生き物の頭が疑問と不安で埋め尽くされる。

しかし、どんなに泣いても祈っても縋っても、犬が目を覚ますことはなかった。

生き物は、この子を埋葬することを決めた。

悲しいが、自然の摂理だ。生き物は家の近くに穴を掘り犬と犬が好きだったおもちゃを埋めた。

その背中は小さく小さく見えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る