60日目

前日から酷い状態の犬を半ば無理やり犬小屋から引きずり出して、生き物は自分の寝床の上に犬を置いた。

明るい所で見ると犬の顔はすっかりやつれて居るように見える。

理由が思いつかず、何をしたらいいのかも分からず、生き物は狼狽えながら水を差しだした。

ぺろぺろと力なく水を舐める犬の背中をゆっくり撫でてやる。

残念なことに犬に対する薬は経験にない。

仕方なく、回復の泉の水を与えてみることにした。

森の生き物の傷が癒えるのだ。きっと、犬の体調も良くなる筈だ。

生き物はそう思って震えて丸まる犬を抱きしめて眠った。

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