54日目
生き物は胸の圧迫を感じた。うっすら目を開けると昨日の野犬が、胸の上に乗って尻尾を振っている。
どこから入り込んできたのかと辺りを見回すと、散らかった部屋が視界に入って溜息をついた。
生き物の胸の上で足踏みする野犬を追い払いながら起き上がると、生き物は小屋のドアを開けて外に出るよう促した。
尻尾を振って、外に出て行く野犬を見送ってボールを掴んだ。
尻尾を振る野犬に向かって青いボールを投げ取ってこさせる。
暫くその遊びを続けて、先に息を上げたのは生き物の方だった。
草っぱらを大の字に転がる生き物の横に、野犬が小さく丸まる。
どこから来たのかは分からないが、生き物に懐いた野犬は、しばらくその体から離れなかった。
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