39日目

今日の生き物は地面に何かを書き込んでいた。

固く尖った石で地面を削り、様々な絵を描いている。

ごりごりと地面と石をぶつけ合わせて書いているのは何なのだろうか。

絵の様でもあり、文字の様でもある。

生き物にしかわからない言語なのだろうか。


ひとしきり地面と向き合って満足した生き物は、ふすっと鼻を鳴らした。

出来上がった壮大な絵を満足げに眺めて、生き物は意気揚々と小屋のドアを閉じた。

その絵はさながら宇宙に向かってメッセージを投げかけるナスカの地上絵のようだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る