第315話 ウルズちゃんのスキル
「----【
マルガリータと戦う事を決めたウルズちゃんは、スキル【
彼女がスキルを解除すると共に、彼女の力が明らかに弱体化しているのを、マルガリータは感じていた。
それもそうだ。
スキル【偽りなき世界】があったからこそ、マルガリータは彼女を警戒していただけで、それがなくなった彼女など、弱くなったと言わざるを得ないからである。
「それ、解除して良いんですか? 可愛いボクに、消えない傷を残すことが出来る唯一の方法だというのに?」
「----あら? そういうあなたは、この可愛さが理解できないと見えますね?」
スキルを解除し、自ら弱体化したというのに、先程までよりも余裕そうなウルズちゃんに違和感を覚えるマルガリータ。
「(……あれ、おかしいな?)」
マルガリータはその瞬間、ウルズちゃんの力が一気に増したのを感じていた。
一気に増したというよりも、ウルズちゃんの力がいきなり跳ね上がったという感じであった。
そして、その感覚を、マルガリータは"知っていた"。
「(スキルを解除して弱体化したはずなのに、パワーが上がってる?
いや、もしかして----"レベルが上がってる"?)」
レベルというのは、冴島渉がここまで戦ってこれた、ここまで上り詰めることが出来た理由といってもいいスキル。
それこそが【召喚 レベルアップ可能】であり、召喚獣そのものにレベルという概念を付与して、レベルアップさせることが出来るようになるスキルである。
このスキルにより、冴島渉の召喚獣は経験を積むことでどんどん強くなれる。
言うなれば、レベルアップして成長できるようになる。
「(そんなプロデューサーの力をどうしてこの召喚獣が---いや、待って?)」
「ようやく気付いたようですね、そこのそこそこカワイイ、ドラゴンさん。いや、"この世界の冴島渉"に召喚された召喚獣さん」
超絶美少女ウルズちゃん----なにかあった世界線における冴島渉が召喚した、召喚獣。
そう、その時点でマルガリータは気付くべきだったのだ。
----相手も冴島渉によって召喚された召喚獣だとしたら、自分と同じように、"
「改めて、自己紹介しちゃいましょう。こちらの世界線における私である、融合召喚獣である悪癖龍マルガリータ。
私の名前は、超絶美少女ウルズちゃん。『超絶』から、『ちゃん』まで含めて名前の融合召喚獣であり、レベルアップ可能とするスキルを得たモノ。
----そして、自分のスキルを解除する毎に、経験値を得てレベルアップする召喚獣である事を」
そう言って彼女は、いくつものスキルを解除していく。
1つ解除すると、レベルが1上がり。
もう1つ解除すると、レベルがさらに1上がり。
そんなスキル解除を、彼女は繰り返して強さを増していく。
「----さぁ、先程までよりレベルが『+255』された私に、勝てますかね?」
先程までとは比べ物にならない強さを手に入れたウルズちゃんは、挑発するようにマルガリータにそう言い放つ。
実際、彼女の力はスキル解除する前の100倍以上になっており、恐らくだがマルガリータよりも明らかに強くなっていることは確かであった。
だがしかし----マルガリータは怯まない。
「たったそれだけのレベルで、私に勝てると思ってる方がお笑い種ですけどね☆」
マルガリータは余裕そうに、そう答えるのであった。
(※)【スキルアッパー】
超絶美少女ウルズちゃんが持つスキル。自分にかかっている強化系統のスキルを解除する事によって、レベルを1つ上げることが出来るスキル
強化系統のスキルであれば重ねがけしてもオッケーであり、このスキルで上がったレベルは一戦闘が終了すると共に元のレベルまで戻る
このスキルを使ってのレベルアップの上限は『+255』であり、それ以上はレベルが上がらなくなっている
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