第144話 第3回戦:【ネタバレ】必ずファイントが勝ちます(1)
「(よーし、次こそは勝つぞぉ~☆)」
心の中でそんな風に、自分に
そう、ファイントはこの"召喚獣対決3回戦"というのを、以前にもした記憶があった。
確かあの時は、自分は2回戦の時に呼ばれて、相手は【アフラ・マズダー】なるセーラー服を着た神であった。
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【アフラ・マズダー(セーラー服)】 レベル;Ⅲ
召喚種族名;アフラ・マズダー
装備職業;魔法使い
ゾロアスター教なる宗教が崇める最高神を模した召喚獣。善と悪、その2つを裁く絶対的な秩序を司り、正義も悪を平等に裁くために2つの属性持ちに対して特攻属性を持つ
日野シティーミティーに召喚された際、青春をイメージした【セーラー服】の印象を大きく受け、セーラー服を着た、機関銃持ちの女子高生らしい姿になっている
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アフラ・マズダーとは、ゾロアスター教なる宗教が崇める最高神。
そもそもゾロアスター教とは、ざっくり言えば善神スプンタ・マンユのチームと、悪神アンラ・マンユのチームが戦っており、それぞれが入り混じるくらい激しい戦いを繰り広げているんだそうだ。
で、戦いの最後の日になると、法と秩序の最高神様が「あんたは善い人ね」「で、あんたは悪い人ね」と分離する。
その最高神がアフラ・マズダーである。
そういう経歴から、『善悪の対立を超越して、両者を裁く絶対の存在』として、アフラ・マズダーは召喚された。
つまりは善属性(英雄や偉人系統)、また悪属性(犯罪者や非道な者系統)には、どちらにも大ダメージを与えられる特攻持ち。
あいつは、悪属性の攻撃が主体となっているファイントにとって、天敵とも呼ぶべき存在であった。
なにせ、善悪を超越しているアフラにとって、悪属性の攻撃など、ただの属性なしの普通の攻撃。
ファイントの悪は、アフラにとっては無価値であり、無意味なのだから。
防ごうとすれば、善悪を裁く絶対の存在であるアフラにとって、悪属性の
悪属性を意図的に失くしたとしても、普通にゴリ押しで突破できる力もあったし。
悪属性という自分の長所を封じられたため、ファイントは呆気なくやられてしまい、続いての対戦相手である雪ん子もやられて、破れかぶれで皆で攻めてやられたはずだ。
そう、自分達の完全なる敗北という形にて、召喚獣対決3回戦は幕引きされていたはずだ。
「(で、それなのに今は別の相手と、召喚獣対決3回戦を出来ている)」
どうやら、【召喚 レベルアップ可能】の、あらゆる出来事を経験するというこのスキルが作用した結果なのだろうという事までは分かっていた。
雪ん子もまた、同じように覚えているのだろう。
ココアとマルガリータの2人は……恐らく、【スピリット召喚】によって変質箇所があるから、全く覚えていないか、一部しか覚えてないくらいだろう。
「(----まぁ、そんな所かな?)」
ファイントは冷静に、そして的確に今の状況を把握しきっていた。
実際、彼女の推理は当たっており、故にだからこそ"雪ん子に口止めしたのである"。
----記憶を持っていることは黙っていた方が良い。
----ただの洗脳効果の1つかも知れないし、偽りの記憶かも知れないし。
----でもまぁ、その憎しみや恨みは、何かの役に立つから忘れないでおこうね。
そして、今っ!!
「(ヤバイ☆ 顔がニヤリと笑えるくらい面白い状況になってる~♪)」
今の状況は、ファイントが待ち望んだ、それ以上の状況である。
1回も勝てなかった、3回戦勝負にはこちらが1勝し。
さらには雪ん子ちゃんも、【オーバーロード】なる、とんでもなく強い力を手にしていた。
後は自分が勝てば、最高の達成感と共にこの場所から抜け出せる。
「(またアフラかな? いや、【黄金召喚】----物を使っての召喚獣の呼び出しだから、違う召喚獣かも知れないわね……)」
アフラだったら良かったのに、とファイントはそう思った。
なにせ、今戦えば確実にファイントが
「(でもまぁ、どーせ私と相性が悪い、特攻キャラでしょう☆ でも残念、今の私は誰にも負ける気がしない、スーパーファイントちゃんになっていますので♪)」
ファイントはワクワクしながら、【黄金召喚】完了を待ちわびて----
「えっ……」
【あらら♪ なぁーに驚いちゃってるんの?
そこに現れたのは----藍色のセーラー服を着た、"ファイント"。
そう、自分と瓜二つの召喚獣であった。
【召喚獣対決3回戦、最終仕合----ファイント ぶいえす ファイント ってね☆
ネタバレしちゃうと、ファイントが勝ちまぁす! イェイ!】
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【《ルトナウム》赤鬼(セーラー服)】 レベル;Ⅲ
召喚種族名;《ルトナウム》赤鬼
装備職業;ブレーメンの音楽隊
全てを変質させる魔法のアイテムを閉じ込めた【世界球体=ルトナウム=】の力を得た、赤鬼の召喚獣。倒すと、大量のルトナウムを獲得できる
対象となる相手の姿や性質、能力を、自分自身を変質させることで全く同一の存在として模倣する。しかしルトナウムの性質により、必ず何かが基となった物と相反する
日野シティーミティーに召喚された際、青春をイメージした【セーラー服】の印象を大きく受け、セーラー服を着た、機関銃持ちの女子高生らしい姿になっている
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