第81話 ボス魔物をレベルアップさせよう!!
「----はい、とどめ☆」
ファイントの放った黒い魔力弾は、そのままボス魔物の方まで飛んでいく。
ボス魔物が差し向けたゴブリン達が、怯えながらも、黒い魔力弾に向かって行く。
立ち向かえるほどの力は、弱者の代表格たるゴブリン達にはない。
ゴブリン達にあるのは、女を犯して喜ぶだけの被虐趣味と、男だろうと女だろうと自らの子孫を残せる生存適正のみ。
だから、ボス魔物は、彼らを率いる王はゴブリン達にこう命じた。
【----盾になれ、
ゴブリン達はその命に従い、黒い魔力弾に飛びつく。
飛びつかれたことにより、黒い魔力弾は破裂し、そのまま10数匹のゴブリン達を巻き込んで、消滅した。
「あらあら♪ 実に良い感じの、悪どい戦法よねぇ♪ 【
----
それが今、俺達が戦っているボス魔物の名前である。
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【
自らの弱さを自覚しながらも、他者から奪うという欲求を満たそうとするゴブリン達の想いが作り出した、王冠型のボス魔物。多くのゴブリン達の願いである強欲を満たすため、ゴブリン達を使い捨てる
どんなゴブリンであろうともかのボス魔物は従える事ができ、ゴブリン達が多くなればなるほど強さが増す。また、ゴブリン達が頭の中に作り出したと思われる幻想の王者の肉体には物理攻撃が一切通じない
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薄汚れた王冠に、どっぷりと腹が出たキングゴブリンの霊体。
ボスの間に入ると共に、多数のゴブリン達を率いてこちらに蹂躙してきた、このダンジョンのボス魔物である。
この
率いるゴブリンの数だけ、ボス魔物の強さ、そして率いているゴブリン達全てがパワーアップする。
「今率いている数は、およそ1万……強さとしては、レベルⅢか。
まぁ、俺が召喚した大量のゴブリン達を、まとめて支配下に置いたから、当然と言えば、当然だが。
「《ぴぃ!! 良い感じ! 良い感じ!》」
「そうじゃのう。これくらいでないと、"れべぇーる"も上がらんという事じゃ」
笑いながら、雪の女神ポリアフへと進化した雪ん子が、ばったばったとゴブリン達を倒して行く。
そして、《悪の手先》という称号を手に入れてレベルアップした狐吸血鬼、ココアもまた、魔法で一撃だ。
「よーし☆ 肩慣らしも済んだし、そろそろ本気、出しちゃおうかな♪」
バンっと、霊体であるはずの
真っ黒な闇の炎の、悪に染まった精霊達----彼女がレベルⅢとなって新しく手に入れた職業、《悪の天使》の力である。
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【悪の天使】 スピリット系統職業・種族限定
魔法を放った際、その1割、10%分の力を予めセットしておいた悪精霊達に魔力を溜める事が出来る。悪精霊の数は最大50体までセットすることができ、どれだけ多くセットしても、全員に元の魔法の1割の力がセットされる
10割以上、100パーセント以上の魔力が悪精霊達に溜まった時、悪精霊達を消滅させ、その分の攻撃魔法を相手に放つことが可能である
(※)この職業は一部適性がある種族しか取得できません
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今のファイントは、最大50体にもなる悪精霊達を率いて、相手に大規模な魔力攻撃を仕掛けられるようになったのだ。
この悪精霊達はファイントの周囲5kmの間なら、生きているモノでなければ、どこにでも、そう、相手の霊体の中にも置いておくことが出来る。
「その悪精霊達の数は、およそ20体♪ そして溜めた魔力は、およそ120%越え☆」
この攻撃の凄い所は、100%以上も溜める事が出来るという事。
制御の問題から120%くらいが限界らしいのだが、俺達が傷を負う事を考慮しても良いなら最大で200%だろうとも撃てると、ファイントは言っていた。
自分の体内に20個の爆弾が仕掛けられたようなモノだからな、あれは。
「では、参りましょう♪
----《消滅魔法・
そして、
王冠が割れると共に、統率者を失ったゴブリン達が消滅していく。
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Fランクダンジョン《狂いゴブリン達の洞窟遺跡》のボス魔物を倒しました
確定ドロップとして、魔石100個が ドロップします
追加条件【弱者王にゴブリン達を集めさせ、レベルアップさせる(1)】の達成を確認
報酬として、【ゴブリンメタル】を10個獲得しました
追加条件【弱者王にゴブリン達を集めさせ、レベルアップさせる(2)】の達成を確認
報酬として、【ゴブリンのリビングメタル】を1個獲得しました
今回は 初回討伐特典は ありません
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「おぉ、結構集まったな」
俺は大量に出てきた魔石100個、そして今回、手に入れた【ゴブリンメタル】と【ゴブリンのリビングメタル】を見ながらほくそ笑む。
「大量にゴブリンを召喚して、
ダンジョンの報酬は、ボスの強さに依存されている。
Fランクダンジョンだの、Aランクダンジョンだのと言ったヤツは、ボスがどれほど強いかにかかっているのだ。
例えこのダンジョンが、Fランクダンジョンであろうと、
最初、レベルⅠの状態で倒した時は魔石1個だけだったのに。
レベルⅢの状態のときは、魔石100個----凄い変化だ。
「これは、ハマっちゃうかもな」
俺が今、何をしているのか。
それを語るには、数日前----俺の冒険者証に【佐鳥愛理を殺せ】というのが書かれた時まで、話を戻さなければならない。
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