擬態する群衆
イシカワ
プロローグ
乗客のまばらな電車に乗り込み、ふと迷ってしまった。ゆっくりと車内を見回す。
誰の隣に座るべきか。
夏の日が差し込む車内には疲れて寝ている中年男性もいれば、
素早いスワイプでスマホを動かす学生まで様々な乗客がいる。
別に誰の隣でも変わらないだろう。
だが時として、その選択が自分の運命を劇的に揺り動かす可能性もある。
威圧感のある男性の隣に座ったら、いきなり殴られるかもしれない。
美しさに惹かれて近寄った女性が、将来自分の妻になるかもしれない。
人生は常に不確定だ。こんな選択一つで谷底に突き落とされたり、
無上の喜びを得られたりする。
さて。
誰の隣に座ろうか。
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