怪文書A

そらいろ

 こんにちは、おじょうさん。あなたはだぁれ? 


 少女が言いました。


 ワタシはアナタです。アナタは誰ですか?


 わたしはあなた。わたしはだぁれ?


 さァ、誰でしょうね。お嬢さん。

 もう少しコチラにいらっしゃいな。ええ、そうです。かわいいアナタ。




 ――とぷん




 そこには、ただ、誰も映っていない鏡があるだけでした。




 少女? 何のことでしょうか。


 それより貴方、ボタンを掛け違えてしまっていますよ。

 見てごらんなさいな。ね?

 ちょうどそこに、鏡があるでしょう?

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