【悲報】美人な先輩とその妹が可愛いけど変態すぎる件
星海ほたる
本編
第1話 可愛いけど変態な先輩と新入部員
4月上旬。
道路を桃色に染める花びらに関心しながら学校へ登校する俺――
軽やかなステップで門を通過し下駄箱の前で足を止める。
一年生専用の下駄箱の前では新入生が楽しそうに会話をしながら教室へ歩いていく姿。
(俺もついに先輩という称号を手にいれたのかぁ……)
「おい、快斗。そんなとこに突っ立ってなにニヤニヤしてんだよ。新入生がビビってるぞ」
「なんでお前はこの状況で平然としてられるんだ? 新入生が来たっていうのに」
「来たところでだろ……彼女ができるわけでもないんだからな」
「いやいや、後輩ならいくらでもできるから」
「おいおい、いくらでもって浮気する前提で彼女探すんじゃねぇ。それにお前みたいな年齢=彼女なしの童貞が言ったこと信用できるわけないだろ」
新学期始まって早々に俺の痛い所をついてくるのは中学から親友の
「グサっ!……やっぱそうだよな。俺みたいな奴いつまで経つても童貞のままで死ぬまで彼女もできないんだよ、多分……」
「おい、待てそこまで言ってないって。それにお前には古賀先輩がいるから大丈夫だろ」
「いや、灯李先輩は可愛いけどちょっと……」
「じゃぁ俺、朝練あるから行ってくるな。古賀先輩ならお前にぞっこんだからいけるよ」
そう言い寛人はバスケ部の部室がある方へ走って行ってしまった。
その姿を見て女子たちがワイワイガヤガヤ言って盛り上がっている。
ほんと羨ましい奴だ。
俺も朝から部活動があり一応絶対参加らしいので部室へ向かう。
部室がある教室の前まで着き、ため息をしてドアをスライドさせると目の前にはいつものようにセクシーなコスプレをした先輩が立っていた。
「快斗くんだぁー。大好きぃー」
「先輩恥ずかしいのでくっつかないでください! それに胸が……」
朝から童貞高校生に無防備な体で抱きついてくるこの人は、3年D組の美人な先輩――
灯李先輩は俺も入部している書道部の部長。胸はバレーボールぐらい大きく、スタイル抜群の美人。でも彼女には一つだけ欠点がある、それはむちゃくちゃ変態だってこと。先輩はいつも俺が部室に入って来るたびにコスプレをしては抱きついてきて、俺が赤面する顔をみて楽しんでいる。
「先輩、今日こそはコンテストに出す作品を書いてくださいね。もう一週間しかないんですよ?」
「いいの、いいのぉー。あんなのすぐに終わっちゃうんだし私と一緒に沢山遊びましょうよー」
「ダメです。俺は部活しに来てるんで先輩には付き合ってられません」
「快斗くん冷たいなぁー。部員だって私と快斗くん、それと幽霊部員3人だけなんだからやることなんてないのよー?」
灯李先輩は畳の上に寝転び胸を弾ませ俺を誘惑してくる。
「先輩それ、わざとやってます?」
「なんのことかしら」
先輩はニヤニヤしながら気づかないフリをしてまた胸を弾ませ始めた。
「そういえば快斗くん。今日は新入生部活動オリエンテーションよっ!」
「そうですね。入部してくれる子いますかね……」
書道部は大した活動はしていないので入部してくれるのか、不安でしかない。
もしも今年部員が一人も入らなかったら廃部の危険も十分にある。
「先輩、しっかりしてくださいね。それと俺のジュース勝手に飲まないでください」
「いいじゃない。快斗くんと間接キス、ドキドキする」
「お巡りさん、この人です!」
(ヤバい、初日から不安でしかない……)
◆
「先輩、誰も見学来ませんでしたね……」
「そうね。私全裸で廊下歩いてきた方が良かったかしら」
「先輩、ほんとに捕まりますよ」
朝の部活動終了時刻まで残り十分。
新入部員が一人も来ないので先輩もコスプレを着替えて畳の上でスマホをいじり始めた。そして俺も諦めかけていたそんな時……
ガラガラガラっ――シャー
「すみません。書道部に入部したいんですが」
ドアを開け部室に入って来たのは天使のような美少女。
声も可愛くて、頭にはヘアリボンをつけている。
「え、ほんとう? 入ってくれるの?」
「はい!よろしくお願いします」
(とても礼儀正しくてそれに可愛いなんて俺、ついてるな……正座占い見てくればよかった……)
俺が嬉しさのあまり頭を抱え喜びを噛み締めていると後ろで転んでいた先輩が口を開いた。
「えっ……玲葉じゃないの」
「姉さん!?」
(あれ――姉さんって……)
「あの、一応だけど名前聞いてもいい?」
「
「えぇぇぇ!!!???」
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