日本改造大作戦
釈迦力
第1話 日本の借金は本当に1300兆円あるのか?
「国民1人当たり1,000万円の借金、日本国の借金1300兆円は真っ赤な嘘!
純負債比率はG7で低く、財政破綻の可能性はゼロ!
国の成長や賃金上昇に向け、ケチケチせず国民生活が安心して送れるよう、
大胆に財政支出を行うのが政治家の使命であり、人として当たり前の行動
ですよ!
とにかく国民の手にお金を配ってください!一平は、初の国会質問で言い放った!
自我党財務大臣 井草は、
「君は、何てことを言ってるんだ!国を借金まみれにしてつぶすつもりか!?」
「1300兆円の国の借金は、我々の世代で返済するのが当然であり、
内閣の最大の任務であり仕事なんだよ!!子供、孫の世代に背負わせるつもりか!!」
鬼の形相で菩薩党の質問者、釈迦力一平を睨みつけながら、言い放った!
とんでもない大声である。
「ハイ議長、」と釈迦力一平は平然とした顔で手を挙げた。
「財務大臣,先程から借金、借金と連呼されていますが、誰が何処から1300兆円の借金をしたんですか?財務大臣お答え下さい!!」
一平は、より語気を強めて言った。
井草は、明らかに不機嫌な態度で答弁を続けた。
「日本の財政の赤字を補填するために特例法を制定して、
国会の議決を経て日銀がお金を作り内閣がどこにどれだけ使うのか
決めていると言う事だ」
一平は直ぐ質問席に行き、井草の目を睨み返しながら、
「自我党内閣が1300兆円の借金の借り主と言う答えでよろしいですね?」
井草の顔色がみるみる赤くなった、明らかに動揺している。
「ち、違うだろ!国会の承認を得ているから、与党、野党含め国会議員、全員の借金と言えるんだ」
すかさず一平は、
「55年体制(1955年)以来66年間の借金の総額、
1300兆円の借主は、自我党内閣ですと何故言えないんですか?」
重ねて問い詰めた!
財務大臣井草は、
内閣総理大臣、総務大臣、外務大臣、自我党幹事長、総裁などを歴任した自我党最古参の重要議員である。
政治は言葉で作られることを知り尽くしている、迂闊な言葉は使わない。
「国会議員含め日本国民全員の借金と言う方が正確かもしれないな」と
曖昧な答弁をした。
今度は、一平は違う方向からの質問をした。
「我が国の金銭貸借対照表を見られた事が有りますか」?
「金銭貸借対照表」!?!?!
思わず井草の声が裏返った
明らかに不意を突かれた質問である。
通常、国会での質問は事前に、質問者がその内容を担当官僚に提出し、
官僚がその質問の答弁書を準備して国会で担当大臣が答えて行くのが
慣例であり、一平の質問はそのレールから外れた質問であったので、
井草は、虚を突かれて直ぐに答弁が出来なかった。
一平は何食わぬ顔で
井草の答弁を待った。
井草は、
しきりに官僚の顔を見て、早く助けに来いと言わんばかりの目を向けた
財務官僚3人が小走りに井草の下に駆けつけお互いに顔を見合わせて、
4人が首をかしげたりうなずいている中、
与党議員も野党議員も「早く進めろ」、「勉強不足だ!」等のヤジを飛ばしている、
2分ほどの協議が終わり官僚が弱々しく議長に願い出た。
「明日の予算委員会に持参したいと思います」
議長はその旨を質問者に伝える様に財務大臣井草に指示を出した。
井草は、口を歪め苦々しい声で、
一平に明日の持参を約束した。
「ありがとうございます」
一平はその事は承諾したが、
手を緩めず続けた!
「私が説明して差し上げますよ。」
と、一平は政界のドン井草に攻撃的に言い放った。
「金銭貸借対象表(バランスシート)とは財務状況を精査し、
国の収益力や財産及び負債の状況を把握する為のものです、
私が調べた所、最近まで日本は、自国の貸借対照表を作っていませんでしたよ。
国会への報告もマスコミへの発表も現在行われていません!
先生、これは羅針盤無しで日本丸を動かしていて、
どんぶり勘定で一国の予算を決めていたという事ですね!!
そもそも、
国の収益力も分からず、財産の状況も、負債の状況も把握すること無く
明治以来、大正、昭和、平成、令和まで、
173年間、国会議員713人財務官僚7万人が寄ってたかって、
どんぶり勘定で予算を組んでいたと言う事ですね!
一体どういうことなんですか!!
財務大臣、このままで日本は大丈夫なんですか??!!」
一平の思いは、国会での質問は、政権与党の政策立案に、影響を与えなければ意味が無いと考えている。
五感を研ぎ澄まし、チャクラ(魂)に訴える質問をする事が自分に与えられた使命であると肝に銘じている。
それ故、質疑応答の茶番劇が許せない!
国民の生命と暮らしが決まる国会では、
生きるか死ぬかの真剣勝負で質問に臨んで行くと心に誓っていた、
日本では、貸借対照表を国会に報告していないことをつかんでいたので
国会のセオリーを破り財務大臣に斬りかかっていった……
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