第3話 主人公登場
突然だが皆には過去にひどいトラウマはあるかな?
僕はある。
周りから見れば僕のトラウマは少しおかしいかもしれない。
僕のトラウマは……
約15年前
僕はある女子に告白された。
小学生ということもあって、恋愛に疎い僕は特に断る理由もなくその誘いを了承してしまった。
今思えばその子は少しおかしかったと思う。
何が?
何がって、すべてがだ。
あの子、いや、あの子と形容することすらおかしいと思う。あいつ、あいつはとても頭がおかしいかった。
頭がおかしいかった。ではなく、おかしい。過去形ではない。
おかしいで片づけることすらおこがましいだろう。
異常。そう、異常というのが一番正しいだろう。
あいつは俺の生活をぶち壊した挙句俺に深い心の傷を与えられた。
そして時は少し進み3年たった。
僕はその光景を見て啞然とした。
その日は雨が降る少し肌寒い日だった。
傘を持ち事前に強制的に約束させられたあいつの家へ行った。
いや、行く予定だったと言うべきだろう。
僕は途中で猫に会いに行った。
河川敷に捨てられていたのを僕が1週間前に見つけたのだ。
毎日餌をやった。
そのせいであいつとは一緒に下校しなかった。
まぁ、そちらのほうが僕にも都合がいい。
おっと、話がそれた。
まぁ、今日もあの猫に餌をあげようと思ってここに来た
はずだった。
僕の目の前にはあいつがいたのだ。
そして僕は目の前にいるはずもない奴とその惨状を見て思わず叫んだ。
「おい、お前が何でここにいるんだよ!お前は家にいるはずだろ!それになんだよそれ……おい、お前が手に持っているそれ何なんだよ!!下に垂れているそれも……お前はいったい何をしたんだよ、なんでそんな平然としてんだよ!」
僕は狂ったように叫ぶ。
今思えば叫ぶことで自分の焦点をずらしたかったのだろう。
なんて浅はかな行為だ。
「質問は1つずつにしてよ」
あいつはさも当たり前だという風に言ってくる。
「それに、こいつが死んだのは当たり前だよ」
は、こいつは何を言ってるんだ?
「命に優劣などないだろ!」
僕は、思いのままを叫ぶ。
だが、あいつは反論してきた。
「何を言っているの?命に優劣はない?それは本当⁉じゃぁ、あなたは私が死ぬのと見ず知らずの全く関わりのない人間が死ぬのどちらがつらい?私はあなたと見ず知らずの人間なんて比べるまでもないよ。あなたは私のすべてだもの。あなたも最愛の人が死んだら悲しいでしょ?でも、大量殺人の犯人が死んでも何も感じないでしょ、それどころか爽快感を得る人もいるらしいよ。」
「でも「でもじゃないよ。私の意見に間髪入れずに答えられなかったてのはそういうことなの。」
ぐうの音も出ないほどの正論でまくしたてられて何も返せない。
そして何も返せない自分に無性に腹が立つ。
「先輩起きてくださいもうそろそろ昼休み終わっちゃいますよ」
いつの間にか眠っていたようだ。
おっともうそんな時間かそろそろ戻らないとヤバいな。
でも、1番思い出したくないことを思い出したな。
もう何も未練はないはずなのにな。
どこかで気になっている自分がいるのかもしれないな。
それにしても最近この夢が多いような……まぁ、気のせいだろう。
トラウマはまだたくさんあったがそれはまた別の話だ。
一方同時刻
やっと見つけた待っててね相沢君♡
今度こそ君を私のものにして見せるから。
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