第一話 愛されてきた私
私の名前は
誰からも愛されてきた存在である。
落し物を拾えば好意を寄せられ、授業で挙手をすれば愛され、景色を覗けば、歩けば、声をかければ、バイトでバーコードを読み込めば
そこで私は考えたのだ。
私が何をしても私のことを愛さない人と結婚しようと。
例えばこの私が告白しても私に惚れない人、一喜一憂しない人と結婚しよう。
いやぁー、私ってば天才!
こうすれば周りに振り回されなくて済むもんね。
それから私は放課後になってからクラスメイトを一人ずつ校舎裏に呼び出した。
一番最初は学校一のイケメンと言われる金髪DQNに告った。
ちなみにこのDQNは女癖が悪いことで有名だ。
「私と付き合ってください!」
声を大にして叫ぶ。
「えっ、いいの?やった、これで自慢できる。じゃ、そういうことだし今からホテル行こ」
は、何が「じゃそういうこと」だよ。
信じられない、女癖が悪いことが有名なのは知っていたが……
はぁ、まさかここまでとは。
それになんだよ自慢って、女はお前の地位を上げる道具じゃないんだよ。
こいつも堕ちたな。
じゃ、そういうことだから私も本来の目的のためだ。
ここらへんでフッておくか。
「ごめんなさい。無理です」
さぁ、この脳みそが下半身にある単細胞野郎はどんな反応するのかしら?
「はぁ?お前何言ってんだ。ふざけるのもたいがいにしろ。自分から告っておいてそれはないだろう。頭
どうやら予想通り下半身しか能がないらしい。
怒鳴り散らしてまるで子供みたいだ。
いや、まるでではなく本当に子供だった。
いやぁー、私としたことがこんなつまらないことで間違えるなんて今日は調子が悪いみたい。
「じゃ、そういうことで。2度と私の前に現れないで」
次の男を呼ぶ。
こいつは可もなく不可もなくというところの顔だが、その心に持ち合わせるやさしさから女子に人気が高い。
ちなみにこいつはお手付きだ。
さぁ、彼女がいるのに私が好きだと伝えたらどうなるだろうか?
これでもし私と付き合うと言ったらこいつは人間のクズということの証明になる。
では
「私と付き合って」
さぁ、反応はどうだろう?
「もちろん喜んで」
はい、クズ確定!
クズとは付き合えないので
「ごめんなさい」
「はぁ……」
よし、次の人どうぞー。
今の気分は面接官。
私に見合う男はいるのかな?
「私と付き合ってください」
「はい、喜んで」
「ごめんなさい」
「私と付き合って」
「もちろん」
「ごめんむり」
「私と付き合って」
「OK」
「
・
・
・
・
・
・
その後17人に声をかけてみたが皆一言でOKだった。
最後の18人目だ。
姿はThe陰キャだ。
名前はなんて言ったっけ?
あ、相沢……何だっけ?
あ、思い出した。
相沢隆だ。
さぁ、こいつは私のお眼鏡にかなうかな?
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遅くなりました。
まだ学生の身なので週に1回のペースで投稿したいと思います。
誤字脱字がありましたら、コメントにてお伝えください。
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