第1話 故郷の過去(3)
突然、大きな音が聞こえた。ペオンビレッジからだ。2人は驚いた。ペオンビレッジに何があったんだろう。
「な、何だ?」
「村に戻ろう!」
2人は大急ぎで洞窟を出ようとした。
「待ってください! すぐに戻れるように、魔法陣を作りましょう」
ジーダにのみ聞こえたその声とともに、部屋に魔法陣が現れた。
「これに乗れば入口に戻れる!」
「どうして?」
「女神竜様が言ってた」
テッドは疑い深いと思った。だが、女神竜サラが見えるジーダなので、信用したい。そう思い、ジーダの言葉を信用した。
「乗ろう!」
「うん!」
2人は魔法陣に乗った。2人はまぶしい光に包まれた。2人は不安になった。本当にこの魔法陣は入口に行けるんだろうか?
光が収まると、そこは洞窟の入口だ。2人はほっとした。
「よかった」
だが、まだ気が抜けない。村はどうなったんだろう。気がかりだ。
「あっちの方だ」
2人は村に続く道を走り出した。だが、敵が襲い掛かってきた。2匹の赤いドラゴンと3匹の角の生えたウサギだ。
「雪の力を!」
テッドは魔法で猛吹雪を起こした。5匹は氷漬けにならなかったものの、大きなダメージを受けた。
「グルルル・・・」
ジーダは氷を吐いた。1匹の赤いドラゴンと2匹の角の生えたウサギが氷漬けになった。
「ガオー!」
赤いドラゴンはテッドに噛みついた。だが、テッドはびくともしない。
突然、角の生えたウサギは角でジーダを突いた。だが、ジーダはびくともしない。
「天の怒りを!」
テッドは魔法で雷を落とした。1匹の赤いドラゴンと1匹の角の生えたウサギは倒れた。
「ガオー!」
ジーダは残った赤いドラゴンに噛みついた。赤いドラゴンは倒れた。
突然、角の生えたウサギはテッドに噛みついた。それでもテッドはびくともしない。
「炎の力を!」
テッドは魔法で火柱を起こした。1匹の角の生えたウサギは倒れた。
「とどめだ!」
ジーダは残ったウサギに噛みついた。残った角の生えたウサギは倒れた。
「くそっ、ここでも敵が・・・」
「とにかく戦おう!」
2人は再び進み出した。だが、すぐに敵が襲い掛かってきた。2匹の1つ目の蛇と2匹の赤いドラゴンと1匹の角の生えたウサギだ。
「天の怒りを!」
テッドは魔法で雷を落とした。雷は赤いドラゴンと角の生えたウサギに当たった。2匹は体がしびれた。
「ガオー!」
ジーダは炎を吐いた。5匹はダメージを受け、角の生えたウサギは表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
赤いドラゴンは炎を吐いた。だが、テッドは素早くよけた。
突然、1つ目の蛇はジーダに噛みついた。ジーダは毒に侵されたんじゃないかと心配した。だが、幸いにも蛇は毒を持っていなかった。ジーダはほっとした。
「炎の力を!」
テッドは魔法で火柱を起こした。角の生えたウサギは倒れた。
「ガオー!」
ジーダは氷を吐いた。4匹は大きなダメージを受けた。1匹の赤いドラゴンは倒れ、1匹の1つ目の蛇と残った赤いドラゴンは氷漬けになった。
「ガオー!」
残った赤いドラゴンはテッドに噛みついた。テッドは少し表情が苦しくなった。
突然、1つ目の蛇はテッドに噛みついた。テッドは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法で自分を回復させた。
「グルルル・・・」
ジーダは炎を吐いた。3匹は大きなダメージを受けた。1匹の1つ目の蛇は倒れ、残りの2匹は表情が苦しくなった。
「ガオー!」
赤いドラゴンはジーダに噛みついた。ジーダは少し表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法でジーダを回復させた。
「とどめだ!」
ジーダは氷を吐いた。残りの2匹は倒れた。
「大変だね」
ジーダは辺りを見渡した。また襲い掛かってくるんじゃないかと思っていた。
「ここまで凶暴になるなんて」
「とにかく戦おう!」
2人は急いだ。しかし、あと少しで見える所で敵が襲い掛かってきた。3匹の1つ目の蛇と2匹の赤いドラゴンと角の生えたウサギだ。
「氷の力を!」
テッドは魔法で6匹を氷漬けにした。6匹はダメージを受け、1匹の1つ目の蛇と角の生えたウサギは氷漬けになった。
「ガオー!」
ジーダは炎を吐いた。6匹は大きなダメージを受け、2匹の1つ目の蛇と角の生えたウサギは表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
赤いドラゴンはテッドに噛みついた。だが、テッドはびくともしない。
「ギャオー!」
もう1匹の赤いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、テッドは少し表情が苦しくなった。
突然、1つ目の蛇はテッドに噛みついた。テッドは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法で自分を回復させた。
「ギャオー!」
ジーダは炎を吐いた。6匹はダメージを受け、2匹の1つ目の蛇と角の生えたウサギは倒れた。
「ガオー!」
赤いドラゴンはジーダに噛みついた。ジーダは少し表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
もう1匹の赤いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、ジーダは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法でジーダを回復させた。
「ガオー!」
ジーダは炎を吐いた。残った1つ目の蛇と2匹の赤いドラゴンは表情が苦しくなった。
「グルルル・・・」
赤いドラゴンはテッドに噛みついた。テッドは少し表情が苦しくなった。
「ガオー!」
もう1匹の赤いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、テッドは表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法で自分を回復させた。
「ガオー!」
ジーダは炎を吐いた。2匹の赤いドラゴンは倒れた。残った1つ目の蛇はますます表情が苦しくなった。
「とどめだ! 天の裁きを!」
テッドは魔法で雷を落とした。残った1つ目の蛇は倒れた。
村が見える丘に着いた時、2人は肩を落とした。村が燃えている。何者かに焼き払われたと思われる。村には誰もいない。みんな死んだんだろうか?
「えっ!?」
ジーダは呆然とした。家族はみんな殺されちゃったのかな?
「村が・・・」
「燃やされてる!」
「チクショー!」
テッドは拳を握り締めた。誰がやったんだろうか? 絶対に許さない!
「おい、どうしたんだい、小僧」
突然、後ろからとある大人が声をかけた。その男は20代前半のようで、スポーツ刈りだ。
「貴様らが、貴様らがやったのか?」
ジーダは拳を握り締めた。どうしてこんなことをやったんだ!
「そうさ。だが、うちらのやってることは秘密なんでね。知ってしまったら殺さなきゃならないんだよ!」
やはり彼がやったようだ。とても許せない。絶対にぶっ飛ばしてやる。
「そんな・・・」
「村をめちゃくちゃにしやがって!」
テッドも許せなかった。絶対に俺がぶっ飛ばしてやる!
「許さない!」
突然、テッドはジーダの前に出た。
「ジーダ、お前は村のことを知らせろ!」
「えっ!?」
テッドは覚悟を決めていた。ジーダを命がけで守ろう。
「僕はこいつと1人で戦う!」
「い、いいけど」
ジーダは戸惑っていた。テッドだけで大丈夫だろうか? 自分も戦うべきじゃないか? だが、ここはテッドの指示に従おう。
「あの丘を抜けると、貨物ヤードがある。そこで待ち合わせしよう」
「うん」
テッドは小声で指示を出した。それと共に、ジーダは貨物ヤードに向かって走っていった。
それを見て、男は追いかけようとした。だが、テッドが立ちはだかった。
「おい! 俺が相手だ!」
テッドは強気な表情だ。1人で倒してやる!
「小生意気な。殺してやる!」
「おう。やってやろうじゃん!」
突然、男は赤いドラゴンに変身した。なんと、男はドラゴン族だ。男はドラゴンに変身して襲い掛かってきた。
「天の怒りを!」
テッドは魔法で雷を落とした。だが、彼には全く効いていないようだ。
「どうした? 痛くもかゆくもないぞ」
男は不敵な笑みを浮かべている。絶対に許さない。テッドは拳を握り締めた。
「炎の力を!」
テッドは魔法で火柱を起こした。だが、男の体に火が点かない。
「効いてない効いてない」
男の表情は変わらない。
「くそっ・・・、雪の力を!」
テッドは魔法で吹雪を起こした。男は氷漬けにならない。
「全然寒くないぞ」
男は不敵な笑みを浮かべている。
「氷の力を!」
テッドは魔法で男を氷漬けにした。だが、男は氷漬けにならない。
「全然効いてないぞ!」
男は腕を組んだ。全く効いていないようだ。
「そんな・・・、大地の力を!」
テッドは魔法で地響きを起こした。男はびくともしない。
「これでどうだ! 天の裁きを!」
男は魔法で強烈な雷を落とした。テッドは大きなダメージを受け、表情が苦しくなった。テッドは驚いた。こんなに強いなんて。
「癒しの力を!」
テッドは魔法で自分を回復させた。
「しつこいな! これでも食らえ!」
男は灼熱の炎を吐いた。テッドはますます表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法で自分を回復させた。
「炎の裁きを!」
男は魔法で巨大な火柱を起こした。テッドは更に表情が苦しくなった。
「癒しの力を!」
テッドは魔法で自分を回復させようとした。だが、魔力が切れて、回復できない。
「お遊びはこれまでだ! 天の裁きを!」
男は魔法で強烈な雷を落とした。テッドは倒れた。
テッドは目を閉じて、ジーダの事を思い浮かべた。短かったけど、いい思い出だった。だが、こんな事で別れるなんて。
「ふん、雑魚が!」
男は何事もなかったかのように去っていった。全ては10年後のために。自分たちの世界を手にするために。
その事を知らないジーダは必死に走った。ジーダはいつの間にか泣いていた。故郷が恋しい。あの頃に戻りたい。でも戻れない。村は焼き払われてしまった。
しばらく走ると、大きな貨物ヤードに着いた。そこはこの付近にある炭鉱の貨物基地になっていて、多くの石炭車が留置されている。その中には有蓋貨車もある。
「ここか」
あと少しだ。ジーダは急いで貨物ヤードに向かった。貨物ヤードには誰もいないようだ。
「ここに隠れよう」
ジーダは石炭車ばかりの編成の一番後ろの有蓋貨車に隠れた。中は何も入っていない。
貨車の中で、ジーダはうずくまりながら、わずかな隙間から外を見ていた。
「なかなか来ないな」
「殺されたのかな?」
だが、テッドが来ないまま、貨物列車は走り出した。ジーダは隙間から山を見ていた。こんなに若くして、故郷を離れるなんて予想してなかった。どうしてこんな目にあわなければならないんだろう。焼き払ったあいつが憎い。いつか、仇を討つ。
「すまん、テッド。守れなかった」
ジーダはいつの間にか涙を流していた。僕は故郷もテッドも捨ててしまった。申し訳ない。だが、僕は彼らの分も生きなければならない。
「どこに行くんだろう」
泣きながらジーダは流れる車窓をじっと見ていた。どうしてこんな目にあわなければならないんだ。全部、あいつのせいだ。いつか、あいつに復讐してやる! 村も、友達も失った。これほど苦しい事はない。
ジーダは貨車の中を見た。中には藁がいっぱい入っている。これをベッドの代わりにして寝よう。そして、駅に着いた所で村の事を話そう。
ジーダは目を閉じた。今日起きた悲劇が目に浮かぶ。どうしてこんなことになったんだ。わずか6歳でどうしてこんな目にあわなければならないんだ。
ジーダはほとんど眠れなかった。悲しすぎて眠ることができない。ジーダは再び車窓を見た。もうあの山は見えない。これから先、自分はどうなってしまうんだろう。
ジーダはうずくまった。父に会いたい。母に会いたい。姉に会いたい。妹に会いたい。テッドに会いたい。でも、もう叶わない。故郷はもう戻らない。
どこまで進んだんだろう。北に進んでいることは確かだ。徐々に貨車の中が寒くなってきた。ジーダは藁にくるまり、寒さに耐えていた。
いつの間にか、ジーダは眠りについた。ジーダは夢の中で、父や母に抱かれる夢を見た。だが、もう夢の中でしか会えない。みんな殺された。全部あいつのせいだ。
翌日、ジーダは目が覚めた。ここはどこだろう。少し肌寒い。ジーダは藁から出ることができない。どれだけ北に向かったんだろう。
ジーダは落ち込んでいた。6歳で故郷を追われるなんて。これからどうなるんだろう。このまま飢え死にしてしまうんだろうか? この先の事を考えると不安になる。
お腹が空いた。だが、昨日から何も食べていない。いつになったら食べ物にありつけるんだろう。
ジーダは窓から車窓を見た。春なのに雪が降っている。どうやら雪国のようだ。かなり北に行ったのはわかる。どれだけ村から離れたんだろう。村の前にそびえる山はもう見えない。そう思うと、ジーダは泣けてきた。
突然、扉が開いた。藁を取りに来た男のようだ。
「ここはどこかな?」
ジーダは藁の中から顔をのぞかせた。雪の降る大きな駅のようだ。
「だ、誰だ?」
男は驚いた。どうしてこんな所に男の子がいるんだろう。ひょっとして、住んでいた村に何かがあって逃げてきたのでは?
「僕、名前は?」
「ジーダ。ジーダ・デルガド」
ジーダは元気がない。昨日の朝から何も食べていない。故郷を失ったショックから声が出づらかった。
「どこから来たの?」
男は心配そうな表情だ。大変なことになったんじゃないかと思っていた。
「村が、村が襲われた」
ジーダは涙を流した。何者かに村を焼き払われ、家族も友達もみんな失った。
「どこの村が?」
「ペオンビレッジ」
男はペオンビレッジの方向を見た。あの村がまたも焼き払われるとは。
「そうか。大丈夫か?」
男は持っていたマントを着せた。ここは寒い。
「うん。僕は大丈夫」
ジーダは大丈夫と言っている。だが、本当は全然大丈夫じゃない。お腹がすいてるし、故郷を失ったショックから立ち直れない。
「襲われたって、何があったんだ?」
「よく見ていないけど、悪い人が村を焼き払ったんだ」
ジーダはまた泣き出した。そのことを話すと、涙が出てしまう。
「そうなんだ。まぁ、調べておくから。って、君、お父さんやお母さんは?」
「みんな死んじゃった。僕だけ生きてるんだ」
ジーダは優しかった両親や姉、弟の事を思い出した。もう会えない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。
「そうか。大丈夫か? この近くだったら、サイカシティに教会があるはずだ。そこに連れて行ってやろう」
「教会?」
ジーダは教会の事を知らなかった。まだ小学校に入る前で、どういう施設なのかを習ったことがなかった。
「教会では君みたいに何らかの理由で家族がいない子供たちを保護しているんだよ」
「ふーん」
ジーダは男と一緒に教会に向かった。そこはサイカシティ。世界で一番寒い街だ。今日からここでの新しい生活が始まる。だが、ジーダは落ち込んでいた。やっぱりペオンビレッジがいい。家族に囲まれて生活するのがいいに決まってる。だが、もうそれは叶わない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。
目の前には鉛色の空が広がっている。雪は降り続いている。それはまるで晴れないジーダの心のようだ。
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