第47話 宝珠を作るには?
「いやぁ、驚いてしまったですにゃ。Aランク冒険者にふさわしい実力をお持ちですにゃ。」とバロン。
「ユカワ様、このワイバーンに装着する宝珠をお求めなのですかにゃ?」
「ええ、そうです。あいにくその方面の知識に疎いものでしてヴァンダールヴルさんにご協力いただこうと思っていたんです。」
「でしたら、わたくし共、マロンバロン商会にご依頼いただけないでしょうにゃ?」とバロン。
「普通の騎乗用魔物の宝珠はそれなりに流通していますが、ワイバーンほどの魔物の宝珠となるとめったに見かけませんにゃ。」とマロン。
「わたくし共の商会が普段取引のある腕利きの職人に協力を仰げばきっとユカワ様にご満足いただける宝珠を作ることができると思いますにゃ!」とバロン。
「それはこちらとしては願ったりかなったりの提案です!」
「まあまあ、そう急がない方がいいんじゃないかね?宝珠を作るにはそれ相応の材料が必要だ。しかも、ワイバーンの宝珠ともなると並大抵の素材ではろくなものはできんぞ?」
「む、確かにそうだにゃ…」とバロン。
「職人さんは集められても作るための素材はといわれるとちょっと厳しいかもしれないにゃ…」と弱気になるマロン。
「ヴァンダールヴルさん、宝珠を作るのに理想的な素材の例を挙げてくれませんか?」
「うーむ、一番いいのはやっぱり神が最初に作ったといわれる3種の魔物のうちの1種ベヒモスの素材じゃな。ベヒモスの皮や牙、魔石なんかも使えたら理想的じゃな。」
「ベヒモスにゃぁ・・・あれはめったに出回らない素材だから9体分もそろえるのはほぼ不可能にゃ。」とマロン。
「あと、ミスリルやアダマンタイト、オリハルコンといった希少金属も使いたいところだな。もし一級品を作りたいのであればだが。」
「ミスリルはまだ何とかなるとしてもアダマンタイトやオリハルコンとなるとちょっとコストがかかりすぎちゃうにゃ。」とバロン。
「ユカワ様、こちらから提案しておきながらやっぱり無理かもしれないにゃ。申し訳ないのにゃ。。。」とマロン。
「ちょっと、待ってください。その素材をもし私が提供すると言ったら可能ですか?」
「「え?」」とマロン・バロン。
「つまりですね、ベヒモスを私が狩ってきて素材を提供し、さらに希少金属を提供すればワイバーン9体分の宝珠は作成可能ですか?」
「ユカワ殿、それはおそらく可能だ。ラガドの街には腕のいいドワーフの職人たちが何人もいる。それに、もしそれらの一級品の素材を使っていいとなればドワーフの職人魂に火が付くことは間違いないからの。」
「わかりました。では用意しましょう。」
「「どないすんのにゃ?」」と突如関西弁ではもるマロン・バロン。
「いえ、うちの魔物牧場でベヒモスは今後飼育する予定なんですよ。それで、近いうちにラマ―ジュ帝国南西部の大河アンダインの河口にあるドロッタ湿原にベヒモス狩りに行こうと思っていたところでして。」
???
目の前の3人の頭の上にクエスチョンマークが浮かんでいるのが見えた。
そうだな、ここはちゃんと腰を据えて説明しよう。
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