廃坑
第13話
ギルドには冒険者が次々と戻ってきていた
ううっ、こんなにごっつい人がいっぱい…苦手だ
建物の中に入るとカウンターに大勢の人が並び、
飲食コーナーでは酒盛りが始まっていた
奥の方からギルマスのゴメスが俺を見つけ大声で呼ぶ
ゴメス「おーい、ユージこっちだこっちだ」
一斉に冒険者達の視線が集まる、
サーチでは青いマークに混じって
黄色いマークが広がる、
俺の想定では頭の上の三角マークの色は
青:無関心 緑:友好 黄色:注意
赤:敵意 赤から白に点滅:殺意
冒険者は初見の人には咄嗟に注意を払うようだ
俺は下を向いてゴメスに近寄る
ゴメス「みんなに紹介する、
昨日便所を綺麗にしてくれ、
格安でFランク以下の奴に
ヒールを掛けてくれる事になったユージだ」
黄色マークがほとんど緑色に変わる
「おお、お前かあの地獄の様な便所
を綺麗にしてくれたのは」
同じ歳ぐらいの冒険者も
「マジか、助かるわ~」ガヤガヤ
ジーン、感謝や期待に慣れていないので凄く嬉しい
飲食コーナーの角のテーブルを
治療場所に借りてヒーちゃんを机の上に出した
人だかりができる、
「初めて見たぜヒールを使うスライムなんて」ガヤガヤ
俺はG.Fランクの若い冒険者の怪我を次々に治していく、
ヒーちゃんの深い緑色が徐々に薄くなっていく
効き目が悪くなってきたみたいだ
薬草を持っている人に出してもらって
ヒーちゃんに食べさせると色が回復してきた
なるほど、無限にヒールができるわけじゃないんだ
ボーちゃんは排泄物を食べたら
肥料を定期的に出してるのであまり変わらない
明日は森に行ってヒーちゃんに
いっぱい薬草を食べてもらって充電させよう
話を聞くと、低ランクの冒険者の依頼は森の東側にある
廃坑鉱山周辺のゴブリン退治がメインらしい、
高ランク者は川向こうの
高ランクモンスターの討伐がメインになってる
この世界は亜人やエルフなどの
ファンタジーな人種はいない
基本、人間と動物と魔物で構成されている。
動物に魔素が溜まると魔物になる
ウサギに魔素が溜まるとホーンラビットに変わる
ホーンラビットに魔素が溜まると
ジャイアントラビットにランクも上がって行く
魔物を放って置いたらどんどん凶悪化するので
常に間引きしてないと
人の住む場所が無くなりかねないので
国が予算を組んでモンスターを減らす努力をする
でも魔素は無くならないので
常にモンスターは生まれる
モンスターの身体には
魔素が固まった魔石が入ってる
それも急所の一つだ、
スライムも魔石があるが倒しても
小さすぎて小石と紛れてわからなくなる
魔石も素材として売れる
人がモンスターに進化した記録はないが
ゴブリンなどの人型モンスターは理論上
人に魔素が溜まって
ゴブリンになったのではと想定されている
犬の顔の人型モンスターの
コボルトや豚+人のオークなどは
なぜそうなったのか、
一説ではゴブリンが犬だけを
食べ続けてコボルトになった
という人もいたが誰にもわからない、
世界に7体存在が確認されている
S級モンスターもいまだに進化し続けてるらしい
人間の進化とモンスターの進化が
釣り合ってなん百年も硬直状態のようだ
今は人間側が3国に分裂して殺し合ってるので
モンスターが増えつつある
バランスが崩れかかっている現状だが
人側の三国に分かれた状態が
絶妙にバランスが取れて一つにまとまる気配もない。
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