サークル・オブ・マイノリティ

寿 丸

第1話「私はろう者アンチです」

「お前の使っている手話は、手話じゃない」


 上の言葉は、自分の知人が実際に言われた言葉だそうです。


「お前はろうしゃではない」とも。




 手話ではないとはどういう意味なのか。


 ろう者ではないとはどういうことなのか。


 そもそもろう者とはなんぞや。




 ろう者の定義やら手話やらは次回以降で説明しますが、ここではっきりと言っておきたいことがあります。


 私はろう者に対し、嫌悪感を抱いています。


 というかむしろ、殺意を覚えるほどです。上記の「手話ではない」だの「ろう者ではない」だのと上から目線で否定して、マウント取りたがるような輩は即座に指を切り落として、口の中に石を突っ込んでそのまま地面に叩きつけたいほどです。




 補足しておきますと、ここでいう「ろう者」とは一般的な「聴覚障害者」と必ずしもイコールではないということです。

 

 聴覚障害者のうちのひと区分である、「ろう者」をピンポイントで嫌悪しているのです。




 なぜか。

 それについても次回以降で説明していきます。




 本作においてはろう者をはじめとした聴覚障害者、手話、そして彼らと彼らの言語が持つ歴史に自分なりに切り込んでいきたいと考えています。


 差別についても触れていくので、ヘビーな話になるでしょう。




 それでもよければ、お付き合い頂けると幸いです。


 知られざる聴覚障害者の世界にようこそ。




【予告】


歴史がある。言語がある。


コミュニティがあれば当然、その内部で摩擦、衝突、差別もある。


異端者にとって楽園に思えた場所は、またひとつのディストピア。


次回「ろう者とはなんぞや」。


夢の終わりが現実の始まり。

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