第85章 連星②
「そんな……」
彗星の追跡を続けていたアリーナがショックの色を浮かべ、沈んだ声を落とした。
「どうした?」
ゲバラが操縦席を離れて、訊いてきた。
「これを見て」
アリーナが声と眼で指さした。
「まさか? 嘘だろ?」
ゲバラもショックを浮かべた顔で声をあげた。
「二人ともどうしたんだ?」
俺は割って入るように側に近づいて訊ねた。
「彗星は1個だけではありません」
アリーナががっくりした口調で答えてきた。
「1個じゃない?」
訊き返した俺は、モニターに眼をやった。
「はい。彗星は2つです。地球や火星からでは前を飛ぶ大きな彗星に隠れて見えなかったのですが、彗星は2個です」
説明したアリーナは、ひどく深刻な顔を浮かべていた。
「まさか?」
ズームアップしたモニターに映る大小2個の彗星が、俺の視線を奪った。
巨大彗星の従者のように、直径25キロほどの彗星が後ろを飛んでいた。
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