第11話
沖縄の曇りの日の朝は暗い、ここだけ特別なのか7時でも今日は暗かった。
だから、まだまだ朝じゃないと思ってトイレに行って、もう一度寝ようと携帯の時間を見たら6:48だった。
はっと、思いLINEを見た。
昨日は娘の大切なパートナーの黒猫の方の去勢手術の日だった。
手術が終わった後家に着いてから、既読にもなっていないLINEが心配だ。
取った玉のグロテスクな写真は送ってきたが…。まぁ、安心して眠ってしまったんだろう。
今月も沖縄の友達じゃなく、彼になった彼と会った。
また、カラオケの部屋で歌ったり、話したり。
密室のカラオケボックスは2人の心地よい居場所だった。
彼は、その後ライブハウスに連れて行ってくれた。
真っ暗な地下にあるそこは、私の知らない初めての場所だった。
不気味でもあって、不思議な、真っ暗で、光ってる場所だ。
でっかいスピーカーは、爆音と機械のピーキー音が脳みその隙間に入って、痺れる様な感じがした。
それに、手や頭でリズムに合わせた拍子を取ると、何故だか眠くなる前の、少し苦しくてそれでいて、吸い込まれる様な感じがして曲に引き込まれた。
それは、バラードよりも激しいロックの方で感じられる脳内変換なのだろうか?
そんな感じは初めてだった。
この世には、まだ私の身体に感じていないものや気持ちの感情があるのだと実感した。
ライブが終わり、外の強い風に吹かれながらしばらく2人で歩いた。
ライブハウスに入った時彼が首に巻いてくれた、彼のストールが暖かかった。
沖縄では、今年は寒い方だという。
お腹が空いて、24時間営業の昔からある定食屋に連れて行ってくれた。
夜の22時過ぎだったけど、ちらほら人は入っていた。
夜なのに、私はランチCを頼み、彼はゆし豆腐そばを券売機で買って待った。
忙しく定食を運ぶおばちゃんが、食券をぱぱっと取って裏に持って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます